ナパ・バレー

オーパスワンとは

   

オーパスワン (Opus One) は、アメリカカリフォルニア州ナパにあるワイナリーカベルネ・ソーヴィニヨンボルドー風のワインをつくる合弁事業としてシャトー・ムートン・ロートシルトのフィリップ・ド・ロッチルトとロバート・モンダヴィにより1978年に設立された。オーパス・ワン・ワイナリーは、オークビルの、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーからカリフォルニア州道29号線を横切った所に位置している。このワイナリー・ベンチャーの立ち上げは、ワイン産業の一大ニュースであった。

オーパスワンとは、クラシック音楽の世界で「作品番号第一」を意味する。1979年の1stヴィンテージのリリースから世界中の注目を集め、 そのボルドーらしいエレガントさと、カリフォルニアの豊潤さをバランスよく仕上げたワインに賞賛の嵐が集まった。その高品質さから今やカリフォルニアワインの最高峰と呼ばれている。


sub3【醸造について】
オーパスワンのぶどうはすべて手摘みで収穫され、ぶどう畑からワイナリーまで細心の注意を払い搬入されている。ぶどうの房は小さな箱に丁寧に入れられるため、良好な状態を維持している。ぶどうは人の手で選別され、葉や不完全なぶどうはすべて取り除かれ、ぶどうの重力のみを利用して除梗機からステンレス製タンクへ移されている。

オーパスワンではただ一つのワインのみを生産しているので、それぞれのタンクは、ぶどうのロットごとに専用で使用することができる。収穫期に1回だけ各タンクを利用するため、発酵とスキンコンタクトの工程を急ぐ必要がない。温度調節機能により温かい温度に保たれるタンクでは、長期にわたりスキンコンタクトが行われ、果皮や果肉から豊かな風味と色が抽出されている。また、皮、種、果肉のプレスもゆっくりと行われる。フリーランワインと同様にプレスワインは樽の中へ移され、熟成される。ワインに骨組を与えるため、プレスワインの一部が オーパス・ワンへ最終的にブレンドされることもある。

ワインが樽に入ると、補填、引き、清澄の作業が開始される。熟成1年目は醸造家であるマイケル・シラーチがフレンチオーク樽から何度も試飲を繰り返し、樽がワインに与える効果を評価している。約1年半の樽熟成の後、ワインは瓶詰めされる。瓶詰め後、更に1年半瓶熟成が行われ、収穫から約3年後に発売される。


sub1_s【ワイナリーについて】
1984年、フィリップ男爵とロバート・モンダヴィは、オーパス・ワンワイナリーの設計士としてジョンソン・フェイン・ペレイラ社のスコット・ジョンソンを選んだ。1989年7月には、新しいワイナリーが着工され、1991年まで建築工事が続いた。建物は地面から盛り上がるような形状をなし、古典的なヨーロッパの要素と近代的なカリフォルニアの要素が混ざり合い、その特色となっている。中央の中庭は柱廊で区切られ、建物の至るところで建築上のモチーフを見ることができる。ワインと同様にワイナリーもニューワールドとオールドワールドの建築が融合されている。


sub6【ぶどう畑について】
オーパスワンのぶどう畑は4か所(合計67ヘクタール)に散在し、ナパ・ヴァレーの特徴的な存在ともなっている。偉大なワイン造りは畑から始まる。ぶどうの樹は典型的なカリフォルニアのぶどう畑と比較して5~6倍の密度で植栽されている。栽培密度が高いと、果汁に対して果皮の比率が高い、より風味とアロマの凝縮したぶどうとなるためだ。


sub4【試飲・楽しみ方】
熟成された オーパスワンを楽しみたい場合は、ヴィンテージの年から数えて20年程は十分に熟成させることができる。若く、果実味の豊かなワインをお好みの場合、オーパスワンは収穫から3年後のリリース直後でも十分に楽しむことができる。ワイン愛好家は、ヴィンテージの年から数えて8~15年経ったオーパス・ワンを最も楽しんでいるといわれている。

オーパスワンの理想的な試飲温度は、17℃が推奨とのこと。この温度にするには、試飲する1時間ほど前に涼しい保管場所から取り出すか、室温に置かれていたボトルを試飲の20分前に冷蔵庫に入れることで可能。デキャンタージュにより、古いヴィンテージのボトルの底に溜まっている澱を取り除くことが可能。瓶が横向けに保管されていた場合は、澱を下に沈めるため、24時間前に瓶を立てることを推奨。澱は捨てて、ワインをデキャンターからグラスに注ぎこむ。また、若いワインも、ワインを適切に空気に触れさせるためにデキャンタージュすることを推奨。その時、瓶を逆さまにして、直接デキャンターに流し込む形で十分である。


【ヴィンテージについて】
■2009年
2009年ヴィンテージは、9月に2回にわたって到来した短期の猛暑を除いては、開花期と成育期を通して気温の低めな年でした。収穫は9月21日にスタートし、10月の記録的な大雨の後、10月20日に無事に終了しました。
おなじみのダークチョコレート、エスプレッソに加えて、ブラックオリーブやミネラルのアロマが底辺に感じられます。熟したブルーベリーやカシス、そしてリコリスの風味が美しく感じられ、熟成のポテンシャルを秘めるこのワインは、スムーズなフィニッシュと同時に、きめの細かいタンニンをかすかに感じるのが印象的です。

品種:カベルネ・ソーヴィニヨン 81%、カベルネ・フラン 9%、プチ・ヴェルド 6%、メルロー 3%、 マルベック 1%
スキンコンタクト:20日
樽熟成:フレンチオーク 新樽で17ヵ月

ナパ・ヴァレーで作られるカベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワインは、2010年、2008年、2007年、2006年、2005年、2004年、2003年、2002年、2001年、1997年、1996年、1995年、1994年、1993年、1992年、1991年、1990年が当たり年とされる。中でも2010年、2007年、2001年の出来が良く、高い価格・値段で取引されている。

オーパス・ワン(Opus One)については、リリース年より8年から15年後が飲み頃とされるが、飲み頃を迎えるワインのみが高価で流通するわけではなく、資産価値のあるワインとして若いものでも値段は高く売られている。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Twitter で