ローダイ

ローダイワインの特徴とは

   

カリフォルニアらしい、太陽や海の恵みが詰まった手頃な価格のワインを生むワイン産地、ローダイ。サンフランシスコから日帰りできるエリアであり、ゴールドラッシュの時代からワインづくりの盛んな産地でもある。

そんなローダイの特徴を見ていこう。

ローダイの気候・風土

ローダイは、サクラメント・カウンティとサンホアキン・カウンティにまたがる広大なAVAだ。サンフランシスコ湾とシエラネバダ山脈の間に位置している。ローダイの位置するセントラル・バレーでは、肥沃な土壌と豊富な太陽の光でぶどうが良く育つため、かつてはぶどうの大量生産が行われていた。

サクラメント川とサンホアキン川が合流する地点にあり、途切れている海岸山脈がローダイの気候を形成している。ローダイは日差しの多い乾燥した地域であり、ぶどうの生育期の日中の気温は25℃くらいになるが、デルタ・ブリーズ(太平洋から水脈を通り抜けて、シエラネバダ山脈に吹き込む風)が吹くことで、夜はジャケットが必要なほどにまで気温が下がる。こうして生まれる気温差が、の高い、高品質なワイン用ぶどうを生み出すのだ。

多様な土壌も特徴だ。シエラネバダ山脈に近づくとミネラルの多い粘土質土壌となり、質の高い赤ワインが生産されている。また、灌漑(かんがい)ができない地域ということもあって、ドライファーミング(乾地農業)が取り入れられており、ぶどうは小さくて凝縮した果実となる。

photo by Dan Nevill(https://flic.kr/p/2mAdvrB)

ローダイの産地

1986年に55万1000エーカー(約22万3000ha)という広大な面積に対して、AVA認定を取得。2002年にはエリアが拡大され、サクラメント・カウンティ南部とサンホアキン・カウンティ北部に位置する9万3500エーカー(約3万7800ha)を含めたエリアがローダイのAVAが認定された。

ローダイには7つのサブAVAが認定されており、7つのテロワールがあると言われるほど、それぞれの土壌や気候が違う。

ローダイのサブAVA

・アルタ・メサ
・ボーデン・ランチ
・コムサニーズ・リバー
・スラウハウス
・クレメンツ・ヒルズ
・ジャハント
・マカロミー・リバー

ローダイの代表品種

ローダイで生産されるワインの約半分が、ジンファンデル種を使用した赤ワインだ。ジンファンデルはアメリカを代表する品種だが、DNA鑑定によって、クロアチアにルーツがあり、イタリア南部の土着品種であるプリミティーヴォと同じ品種であることが明らかになっている。

ローダイは、凝縮された味わいと本格的なアロマを持つジンファンデルのように、味わいに厚みのあるフルボディのワインの産地として知られている。白ワインの生産量も増えており、ソーヴィニヨン・ブランシャルドネが多くつくられているが、近年ではスペイン原産のアルバリーニョの質の高さが注目を集めている。

他にも、カルベネ・ソーヴィニヨン、シラーメルローヴィオニエなど、幅広い品種を使用した個性的なワインが醸造されている。

ローダイのエピソード

ローダイでは、1850年代にゴールドラッシュと共にぶどう栽培が始まった。当初は、アフリカ産のフレイム・トーケイ種を主に栽培していたが、次第にジンファンデル種に置き換えられた。ローダイの周辺に広がる砂質土壌により、フィロキセラの害から免れられたため、当時植えられたジンファンデルの古樹が残っているヴィンヤードも多い。

現在では700を超えるぶどう農家がいる。そのうち100年以上の歴史を持つ農家も少なくない。これまでは大手ワイナリーにぶどうを販売している農家が多かったが、近年では、自分たちのヴィンヤードで育てたぶどうからワインをつくる農家も増えている。

長い歴史の中で、土地を受け継いできたぶどう農家たちは、1990年代初頭からいち早くサステナブルへの取り組みをスタート。2005年には正式なサステナブル認証として、「ローダイ・ルール」が制定された。同ルールはカリフォルニア州だけではなく、他州やイスラエルでも採用されている。

また、ワイン醸造が盛んな山梨県甲府市とローダイは、姉妹都市となっている。

ローダイの代表的なワイン

・オーク・リッジ・ワイナリー イントゥ ジンファンデル ローダイ
・マイケル・デイヴィッド・ワイナリー インコグニート
・ジョッシュ・セラーズ ジンファンデル ローダイ
・クリンカー・ブリック・ワイナリー オールド・ゴースト・ジンファンデル
・ランゲ・ツインズ カベルネ・ソーヴィニヨン
・メットラーファミリヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン

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