アントル・ドゥー・メール

アントル・ドゥー・メールワインの特徴とは

   

ボルドー地方のワイン生産地。ガロンヌ川とドルドーニュ川が合流する三角状の地域を指す地域名として使用されるほか、辛口白ワインに適用されるAOC名でもある。

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アントル・ドゥー・メールとは、2つの海の間を意味するフランス語で、ガロンヌ川とドルドーニュ川が合流してジロンド川になる合流部分の上流にあり、2つの川に挟まれた三角地帯で造られる。この広大な三角地帯に位置するAOCを全て含めると、地図上で150以上の村が含まれる面積は6,300ヘクタールあり、野菜畑と草原、そして森林の間にブドウ畑が点在している。

アントル・ドゥー・メール地域は広大であるため、その土壌は一様ではなく大きく分けて4タイプある。ドルドーニュ沿岸の急こう配の崖となっている地区の土壌は粘土質で石灰質土壌である。2つの川に挟まれた三角地帯の高原の中央部や南側の地区は二化ケイ素を多く含み、白ワイン用ブドウの栽培に適している。南側の緩やかな傾斜のある地区は石灰岩質と砂利の土壌である。北部は粘土質に石灰岩が混ざった土壌で、砂利状のところと砂状のところがある。

Entre deux mers white bordeaux

AOCアントル・ドゥー・メールは、ボルドー地方の他の有名な地区AOCと比べると独自性の高い偉大なワインは産出していないが、1960年以降共同組合化が進み、低温発酵などの近代的な醸造技術を駆使することで品質向上に努めている。この地区で造られる辛口白ワインは、収穫してから1年から3年のうちが望ましい若飲みタイプでやや軽め、きびきびしたフレッシュがある。グレープフルーツやライチ、白桃などに例えられるフルーティな味わいのものが多く、ボルドーの白ワインの中では安価である。栽培品種はソーヴィニヨン・ブランセミヨンミュスカデルである。このAOCのブドウ耕作面積は2,000ヘクタール強である。

St Germain du Puch Entre-deux-Mers

このAOCに指定されているブドウ耕作面積は1,500ヘクタールほどと広大なので産出されるワイン量も多いが、より広域な範囲を指定するボルドーAOCを名乗って出荷されているものも多い。なお、AOCアントル・ドゥー・メールの指定地区で造られているロゼワインスパークリングワインクラレットと呼ばれる明るい色調の赤ワイン、ボルドー特有の深みのある赤ワインは、AOCボルドーか、ボルドーより生産量制限が厳しいAOCボルドー・シュペリウールとなる。

BORDEAUX 062

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