サヴェニエール

サヴェニエールワインの特徴とは

   

ロワール地方のメーヌ・エ・ロワール県にあるコミューン名であると同時に、このエリアで生産される白ワインに認められたAOC名である。シュナン・ブラン種から造られる長熟の辛口白ワインが有名である。

アンジューに属するこのAOCの認可は1952年だが、歴史は古く12世紀に修道僧によって開墾されたものと言われている。風車の点在する美しい景観とこの地方最古の教会・サン・ピエール教会がその昔を偲ばせる。 AOCサヴェニエールを名乗る際の条件は1996年に改定され、糖度ごとに表示を変えることが定められている。

アンジェ市の南に位置し、ロワール河の右岸の片岩の土壌の傾斜地に畑が広がり、ブドウ耕作面積は150ヘクタールである。サヴェニエール(Savennieres)、ブーシュメーヌ(Bouchemaine)、ラ・ポッソニエール(La Possonniere)の3つのコミューンに限りこのAOCを名乗ることが認められている。なかでもサヴェニエールには、ラ・ロッシュ・オー・モワンヌとラ・クーレ・ド・セランというロワールを代表する2つの小さな畑があり、独立したAOCを名乗ることが認められている。AOCカール・ド・ショームやAOCボヌゾーと並び、アンジュー・ソーミュール地方の銘醸地とされる。
このAOCではシュナン・ブラン単品種で、主に辛口の白ワインが造られる。かつてはこの品種から甘口の貴腐ワインが造られていたが現在はほぼ造られていない。ごく少量の甘口や半甘口が造られてはいるが、AOCコトー・デュ・レイヨンなどと比較すると甘味は弱い。こうした甘口ワインの場合、手摘みで過熟したブドウを最低2回の選別をしながらの収穫が義務付けられている。

緑を帯びた麦藁色のワインは濃い外観で、熟成と共に琥珀色が増し、古色を帯びた金色となる。香りは強烈で複雑であり、菩提樹、アニス、グレープフルーツ、洋ナシ、ハチミツ、カリンのアロマがあるが、最初の数年は香りがあまり感じられない場合もある。強いミネラル感が特徴で、熟成と共にヘーゼルナッツ、甘いスパイス、グレープフルーツやレモンの砂糖漬けのニュアンスが現れる。豊満で厚みのある味わいで、余韻は格別に持続性がある。余韻には爽やかさに起因する刺激があり、収斂性や苦味を伴うこともある。飲み頃は5年から6年で、良いヴィンテージものは予測不可能なほど寿命が長い。

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