カイザーシュトゥール

カイザーシュトゥールワインの特徴とは

   

カイザーシュトゥールの気候・風土

カイザーシュトゥールは、ドイツ南部のバーデンのベライヒ(ワイン生産地区)のひとつだ。南北に流れるライン川の西岸に位置し、川を挟んだ向こう岸はフランスの領土となっている。

ドイツのなかでも比較的気候が温暖な地域で、EUの定めたワイン生産地帯の気候区分においてバーデンは国内唯一のBゾーンに属している。(他のBゾーンには、フランスのアルザスやサヴォワ地方が該当する。また、ドイツの大部分を占めるAゾーンはイングランド・オランダと同じ)

土壌は火山性土壌で火成岩によるものが多く、風化した溶岩は鉄分などのミネラルを豊富に含み、温暖な気候とあいまってぶどうに芳醇な味わいを与える。

栽培されるぶどうはシュペートブルグンダー、グラウブルグンダー、ミュラー・トゥルガウなど。ドイツでは白ぶどうの割合が多いが、この地域については赤ワインの生産もさかんに行われているため、黒ぶどうも比較的多く栽培されている。

ちなみにグラウブルグンダーについては、甘口仕上げの場合、ルーレンダーとよばれる。

カイザーシュトゥールのワインの特徴

カイザーシュトゥールでは、フォイアーベルクやシュロスガルテンなどの優れた畑を有するベルヒャー醸造所が有名だ。ワイン専門誌ゴーミヨにおいて、バーデンのベライヒでは最高評価となる4房を獲得したことがある。

中でもシュペートブルグンダーによる赤ワインが特によく知られている。バリックによる醸造、バニラ香、ボディ味、タンニンのバランスのとれたワインとなっている。

白ワインについても、火山性土壌由来の豊富なミネラルがふんだんに含まれた、豊かなアロマを有するものとなっている。酸がそれほど強くないのも特徴だ。

ドクター・ヘーガー醸造所もカイザーシュトゥールを代表する醸造所だ。イーリンゲン村におけるヴィンクラーベルクなど、こちらも優れたぶどう畑を多数有している。

エピソード

カイザーシュトゥールとは、ドイツ語で「皇帝の椅子」という意味。近隣にあるトゥーニベルクと同一地域のベライヒとしてくくられることもある。

また、このバーデン地方特有のロゼワインとして、グラウブルグンダーとシュペートブルグンダーをブレンドしたバーディッシュ・ロートゴールドと呼ばれるものがある。

カイザーシュトゥールの代表的なワイン

ブルクハイマー・フォイアーベルク・ヴァイスブルグンダー・シュペトレーゼ・トロッケン・グローセスゲヴェクス / ベルヒャー
シュペートブルグンダー・バーデン・カイザーシュトゥール・トロッケン / ベルヒャー
イーリンガー・ヴィンクラーベルク・ヴァイスブルグンダー・トロッケン / ヘーガー
イーリンガー・ヴィンクラーベルク・グラウブルグンダー・シュペトレーゼ・トロッケン / ヘーガー

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