シーベンゲビルゲ

ジーベンゲビルゲワインの特徴とは

   

ジーベンゲビルゲの気候・風土

ライン川が弧を描きながら流れる中流域の地域・ミッテルライン。南側は岩を切り開いたぶどう畑、コブレンツとビンゲンの間の景観は2002年に世界遺産に登録されている。そのため、この地域で製造されたワインは「世界遺産のワイン」として紹介される場面も多い。

ミッテルラインはさらに2つのエリアに分けられる。人魚の伝説でお馴染みの「ローレライ」。そして「ジーベンゲビルゲ」である。

ジーベンゲビルゲ周辺のエリアは、急こう配の土地が多い。ぶどうも岩の多い土地を利用して栽培されている。

一見、ぶどう栽培に向かない地域であるように思えるが、土壌には恵まれている。さらにはぶどう樹が成長する春と晩秋にかけて暖かな風が吹き、岩が太陽の暖かさを保温してくれる効果も期待できる。冬は霜が降りることはほとんどなく、ぶどう栽培にとって理想的な土地なのだ。

ジーベンゲビルゲのワインの特徴

先述したとおり、ジーベンゲビルゲの天候は非常に恵まれている。そのため、この地で育つぶどうは非常にフルーティー。ワインももぎたてのぶどうの瑞々しいアロマを放ち、とても軽やかで飲みやすい。美しい自然を思わせる優美な味わいとミネラルが鼻にかけて抜けていく。

赤ぶどうの王と呼ばれているシュペートブルグンダー種を使用していることも多く、とにかくぶどうのアロマは究極といっても良いだろう。

そして単なる上質なワインでは終わらず、個性も感じられるのがジーベンゲビルゲのワイン。非常に魅力的ではあるのだが、ジーベンゲビルゲにあるワイナリー数は3とかなり少なく、出回るワインの数はそう多くはない。

エピソード

ジーベンゲビルゲ地域のワインの中にはおいしそうにぶどうを食べるブタが描かれたラベルのワインが。「ドラッヘンフェルス」という優良畑から収穫されたブドウのみに使われているラベルだ。このようなラベルになったのには、とある事件が由来となっている。1996年11月、突如現れた野生のブタ。なんとその数、500匹以上にも及んだ。

そのブタたちがワインになるはずのぶどうを食い荒らしてしまったのだ。被害総額は約4万マルク、日本円にすると約280万円程度になる。当時は新聞に掲載され、大きな事件とした扱われた。ブタがぶどうを食べているラベルを見掛けたときには、話のタネにするとおもしろいかもしれない。

さらに畑の名前、「ドラッヘンフェルス」には「ドラゴンの岩」といった意味もある。畑の近くの岩山の中にはドラゴンが住んでいたという言い伝えがあり、今でも恐ろしい不気味な面影が残っている。そんな岩山近くのぶどうを食い荒らすとは……なかなか勇気のあるブタたちだ。

ジーベンゲビルゲの代表的なワイン

Auslese Grauburgunder Halbtrocken
Qualitatswein Spatburgunder Trocken
Spatlese Riesling Rhondorfer Drachenfels

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