ヴァッレ・イサルコ

ヴァッレ・イサルコワインの特徴とは

   

ヴァッレ・イサルコの気候・風土

ヴァッレ・イサルコとは、イタリア北東部のトレンティーノアルト・アディジェ州にあるワイン生産地だ。アルト・アディジェD.O.Cのうちボルツァーノの北東、イサルコ川流域の渓谷でつくられるワインを指す。オーストリアとの国境からわずか20kmほどのところに位置する。

渓谷を縫うように町があり、斜面に沿ってぶどう畑が広がっている。ぶどう栽培の限界に近い標高まで畑が展開されているのが特徴だ。日較差が激しく、主に夏季にはイタリアでも屈指の高温に見舞われる。こうした厳しい天候で育てられるぶどうは、味が強く熟度が高いものになる。

栽培されるぶどうは、ケルナーやシルヴァネール、ゲヴュルツトラミネール、ミュラートゥルガウといったドイツ品種が多い。

ヴァッレ・イサルコのワインの特徴

イタリアであるにも関わらず、ドイツ系のぶどうを用いた白ワインが多い。これは、アルト・アディジェの住民の大半が現在もドイツ系であり、文化・歴史・言語ともにドイツの影響を色濃く受けているためだ。

先述のとおり、この地のぶどうは酸味が強く熟度が高い。ワインにもその風味が現れており、熟した果実味と強靭な酸味、そして渓谷の滋養分によるミネラルが感じられるのが特徴だ。

エピソード

トレンティーノはかつてオーストリアに属していたが、イタリアの領地となったのは第一次世界大戦後だ。このため、今も公用語としてドイツ語が使われ続けている。

ドイツ語ではヴァッレ・イサルコをスッドチロル・アイザックターラーと呼ぶ。スッドチロルとは「南チロル」という意味で、かつてこの地がチロル州だったことに因んでいる。(隣接する地域はオーストリア・チロル州の北チロル、東チロル)
このように、トレンティーノ=アルト・アディジェ州はイタリア領ながらも、実質的にドイツの文化・言語が支配している地域といえる。

ヴァッレ・イサルコの代表的なワイン

ヴァッレ・イサルコ・ゲヴュルツトラミネール / コフェレルホーフ
ヴァッレ・イサルコ・ケルナー / コフェレルホーフ
ヴァッレ・イサルコ・ミュラートゥルガウ / コフェレルホーフ

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