オルヴィエート

オルヴィエートワインの特徴とは

   

オルヴィエートの気候・風土

イタリア・ウンブリア州のオルヴィエート地区を中心とした地域はワインづくりが盛んで、ウンブリア州トップの銘醸地として知られ、同州のぶどう栽培地の8割をこの地区が占める。この周辺の7つの村はDOC(原産地統制呼称)「オルヴィエート」として認定を受けている。

オルヴィエートはイタリア半島の中心にあり、ローマから北に約100kmに位置する海に面さない内陸の土地。地中海性気候に属し、冬の寒さも厳しくはないことから、ぶどう栽培に適している。

市街は断崖絶壁の丘に広がっており、城壁に囲まれ、霧が立ち込めるときにはまるで天空の城のように見える。比較的安全なこともあり、最近では人気の観光スポットとなっている。

オルヴィエートの栽培地区も凝灰岩で形成された高い崖の上に位置しており、ワインの発酵と貯蔵を目的として凝灰岩に洞窟が掘られている。オルヴィエートのワインは、低温の凝灰岩の洞窟の中で保存されるため、発酵が進まず糖分を残した甘みがある。畑はパリア川の両側に広がり、地形と土壌、岩質のすべてを利用してぶどうが栽培されている。

Orvieto

オルヴィエートのワインの特徴

オルヴィエートのワインは、白ワインが有名。辛口、薄甘口、中甘口、甘口の4タイプがある。

ワインづくりで主に用いられるのは、プロカニコ種と呼ばれるトレッビアーノ・トスカーノ種。4~6割はこの品種が用いられる。その他にはヴエルデッロ、グレケット、マルヴアジアなどの品種をブレンドし、辛口~甘口までの違いを生み出す。

色味は、濃い目の麦藁色から黄色。果実や品格ある花の香りを伴うことから、前菜や魚料理などに合う。以前から甘美なスタイルの甘口ワインが多くつくられてきたが、消費者の嗜好の変化に合わせ、現在はクリーンでてフレッシュな味を持つ、桃のニュアンスが特徴的な辛口ワインが増えている。

また、世界的なマーケットのレベルに合わせてワインを醸造するつくり手が増え、大きな投資をしてでも施設を改善している醸造所が多く、クオリティが安定してきている。

最高のクオリティのワインが産出できる歴史ある区画を「クラッシコ」ゾーンと銘打ち、醸造されるオルヴィエート・クラッシコDOCはオルヴィエートDOCより、ブレンドの内容がより厳しく定められている。

昔から白ワインがつくられてきたが、オルヴィエートワインの生産地区では10年ほど前からアリアニコ、カベルネ・ソーヴィニヨンメルロー、 サンジョヴェーゼなどの品種を用いた赤ワインもつくられている。そうしてつくられた赤ワインは「ロッソ・オリヴィエターノ」という別のDOCとして認められている。

またオルヴィエート地区の気候条件を生かし、「ムッファーティ」と呼ばれるワインもつくられている。ムッファーティは、ボツリティス・チネレアという菌のバクテリア作用を利用して製造されたイタリアでは珍しい貴腐ワイン。成熟したぶどうの表面はカビで覆われ、アルコール度が高く、滑らかで甘いワインに仕上がり、スウィートな香りが漂う。フォアグラや熟成したチーズとの相性が良い。

san giovanni orvieto classico superiore 2006

エピソード

オルヴィエートでは、紀元前7世紀ごろからエトルリア人によってワインがつくられていた。ウンブリア地方における最古のワインとされる。また、ぶどう栽培の起源も古く、エトルリア時代から行われている。

中世、ルネッサンスの宮廷や法王の出席する食卓にもオルヴィエートでつくられた白ワインが登場した歴史を持ち、「ワインの流れる街」と称されたほど。世界の中でも名の通ったワインの産地として知られている。

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オルヴィエートの代表的なワイン

ロッソ・オリヴィエターノ
オルヴィエート・クラッシコ
ムッファーティ

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