ビエルソ

ビエルソワインの特徴とは

   

ビエルソの気候・風土

ビエルソは、スペイン北西部、カスティーリャ・レオン州のワイン生産地だ。アストゥリアス州やガリシア州に近く、ガリシア州のDOバルデオラスとは西側で接する。

気候は西岸海洋性気候に属し、雨が多く年中温暖。年間平均降水量は600mm程度。ぶどう畑の標高は450~750mと高地にある。

栽培されるぶどうは、黒ぶどうのメンシアがほとんどとなる。メンシアはガリシア州でも生産されているが、ビエルソのワインが有名だ。中には50年以上の古樹も珍しくない。

その他には、白ぶどうのゴデーリョも少量栽培されている。

土壌はスレート土壌に粘土質、石灰質を含むビエルソ独特のもの。こうした土壌がメンシアの栽培に大変適しているとされる。

ビエルソのワインの特徴

メンシアによる赤ワインが、ビエルソ全体でつくられるワインの9割近くを占める。チェリーやカシス、スミレなどの花を思わせるアロマが豊か。

味わいはブラックチェリーやラズベリーを思わせる果実味の中に、繊細さを備えている。国際的に高い評価を受けるワインもある。その味わいは時に「スペインのピノ・ノワール」と形容される。

また、こうした高い品質の割に、コストパフォーマンスに優れたワインもあるのがもうひとつの特徴といえる。

エピソード

メンシアは中世時代に、スペイン北西部の巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステラへと向かうカトリックの巡礼者によって、ビエルソにもたらされたとされている。

山間という立地もあり、固有品種としてのメンシアは長らく注目されてこなかった。しかし2000年代以降、リカルド・パラシオら新進気鋭の生産者によって注目を集めた。

長らく注目されてこなかった固有品種にスポットを当て、地元の生産者が高品質なワインを生み出した、という意味では、DOCaプリオラートに似たストーリーを持つ生産地といえよう。

ビエルソの代表的なワイン

・ボデガス・ガンセド・カプリッチョ・デ・ガデージョ・バレル・ファーメンティド
・テラス・クア・テラス・クア
・ドミニオ・デ・ラ・タレス・エクサルトス・セパス・ビエヤス
・ラウル・ペレス・ラ・クラウディーニャ
・センディエンテス・デ・ホセ・パラシオス・ラ・ファロニャ

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