ワイン用語集

IGT

IGTの意味・解説

IGT(Indicazione Geografica Tipica)とは、イタリアワイン法に定められた原産地名称保護に従い指定された地理的表示の一種。現在の「保護地理表示ワイン(Indicazione Geofrafica Protetta: IGP)」を指す。

イタリアでは1963年のワイン法整備でDOCが、1984年にDOCGが新設された。IGTは1992年に新設され、フランスヴァン・ド・ペイドイツのラントヴァインに相当する。

2009年より新EU法が適用され、「保護原産地呼称ワイン(Denominazione di Origine Protetta: DOP)」、「保護地理表示ワイン(Indicazione Geofrafica Protetta: IGP)」「ヴィーノ(Vino)」の3種類に分類・整理された。

従来のDOCGとDOCの2種類のワインがDOPとなり、IGTはIGPとなった。混乱を防ぐために従来の表記も許されている。

IGTとは指定された地域で醸造された場合、その地域の名前をワインの呼称として使うことができるというもの。条件として、ぶどう収穫量や品種、熟成などの規定が定められている。表示されている地域外のワインも15%までなら混ぜて良い。

さらに、DOCでは使用するぶどうはワイン用欧州品種であるヴィティス・ヴィニフェラ種のみと決まっているが、IGTではヴィティス・ヴィニフェラ種のほかにも、ヴィティス・ヴィニフェラ種と他の品種との交配品種を使うことが許されている。

また、歴史的に地域との相関性の深い品種を用いるのが基本であるDOC等に対して、主にトスカーナ地方でカベルネ・ソーヴィニヨンなどを使い良質なワインを醸造する「スーパー・タスカン」という動きがあった。これらのワインはDOCの条件に適合しないため、VdT(現在のVino)やIGTとして生産されている。

全国で200余の地区がIGT呼称を認められている。下位のVdTとIGTとで国内生産量の8割を占めるほど、一般的なクラスだ。

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