コラム

ぶどう栽培者とワイン醸造家、専門家2人が設立したドッグ・ポイント・ヴィンヤード ~ 解説:ニュージーランド名門ワイナリー

ニュージーランドの名門ワイナリーを紹介する本シリーズ。前回はニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを世界に知らしめたクラウディ・ベイを紹介したが、今回はそのクラウディ・ベイでぶどうの栽培とワインの醸造にかかわった2人がつくりあげたワイナリー「ドッグ・ポイント・ヴィンヤード」について、ご紹介していこう。

ドッグ・ポイント・ヴィンヤードのエピソード

ニュージーランドを代表すると言っても過言ではない「クラウディ・ベイ」は、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの素晴らしさを世界に認めさせ、ニュージーランドワインの評価を高めたことで有名だ。

そのクラウディ・ベイでワインの醸造を担当していたジェームス・ヒーリー氏とぶどう栽培を担当していたアイヴァン・サザーランド氏が設立したのが「ドッグ・ポイント・ヴィンヤード」だ。

ワイナリーがあるニュージーランド南島のマールボロ地区を代表するソーヴィニヨン・ブランだけでなくシャルドネやピノ・ノワールでも高い評価を得ている。

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ドッグ・ポイント・ヴィンヤードの歴史

2人の技術を集結したワイナリー

アイヴァン・サザーランド氏とジェームス・ヒーリー氏はクラウディ・ベイで働くうちに、両氏とも、大きな組織の一部としてではなく、もっと密にぶどう栽培や醸造と関われるようなワインづくりをしたいと考えるようになった。

そこで、クラウディ・ベイを辞めてサザーランド氏が妻のマーガレット・サザーランド氏とともに1970~80年代にぶどうを植えた80haの畑のぶどうを使いワインづくりを始めた。その後、クラウディ・ベイとの賃貸契約が終了したサザーランド氏の畑が返却されたこともあり、ぶどう畑は年々増えた。そして、2004年2月にドッグ・ポイント・ヴィンヤードのファーストヴィンテージワインとして2002年ヴィンテージのワインをリリースした。

ニュージーランドのトップワイナリーにぶどうを供給

クラウディ・ベイでぶどう栽培者のチーフを務めたサザーランド氏の栽培技術は非常に優れている。そのため、クラウディ・ベイを去った現在でも、クラウディ・ベイにぶどうを供給している。

また、サザーランド氏は、同じくクラウディ・ベイから独立したケヴィン・ジュッド氏のワイナリー「グレイワッキ」の畑も管理している。ケヴィン・ジュッド氏は、クラウディ・ベイでおよそ25年もの間、チーフ・ワインメーカーを務め、伝説の存在とも言われる人物で、ニュージーランドを代表するソーヴィニョンの生産者でもある。つまり、サザーランド氏は、自社に加えて、ニュージーランドを代表するワイナリーのぶどうもつくっていることになる。

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ワイナリー名の由来

「ドッグ・ポイント・ヴィンヤード」というワイナリー名は、ある地域の名前に由来する。ヨーロッパから羊と共に移住した初期の移民者は、羊を守るために犬に羊を見張らせていた。しかし、塀が無かったために、犬が道に迷って行方不明になったり、逃げだしたりすることもしばしば。そうした犬たちが、野良犬の集団となり、本来は守るべき羊を攻撃するようになった。

しかし、移民たちは野良犬を地域から追い出すことに成功。追い出された野良犬は草むらや低木に覆われた丘に住み着き、その場所が、ドッグ・ポイントと呼ばれるようになった。その丘はワイナリーの南側にあり、そこからワイナリーを「ドッグ・ポイント・ヴィンヤード」と名付けた。

ドッグ・ポイント・ヴィンヤードのワインづくり

土地特有のワイン

ドッグ・ポイント・ヴィンヤードでは、ぶどう栽培地の気候や土壌の特徴が表現される「土地特有のワインづくり」を心掛けている。その土地にある酵母「野生酵母」を使用して、それぞれのワインに適したぶどう本来の味わいと土地の風味が、うまく引き出されるようにしている。

ソーヴィニヨン・ブランでは、すっきりした味わいを目指しているため、野生酵母を20%に抑えて、すっきりとした味わいの中に土地の風味が感じられるように調整している。これに対して、セクション94シリーズでは、野生酵母を100%使用して、マールボロの土地の特徴を前面に出している。

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有機栽培への転換

ドッグ・ポイント・ヴィンヤードでは、環境に配慮したワインづくりも積極的に進めていて、2009年から有機栽培に切り替え始めた。土壌を改善し豊かにするため、冬は草を低く保ち、およそ2000匹の羊を畑に放牧。また、剪定で落とした枝や葉を堆積肥料として使用している。これらの取り組みによる成果が認められ、2016年には255haの区画がニュージーランドのオーガニック認証(BioGro)を獲得した。

Marlborough

ドッグ・ポイント・ヴィンヤードのおすすめワイン

ドッグ・ポイント・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン

自社畑のぶどうを使用し、ステレンスタンクで醸造される。マールボロ地区の特徴が良く表現されたワイン。毎年10月にリリースされる。2009年から4年連続でパーカーポイント90点以上をマークした。
Christchurch / Dogpoint 2008 Sauvignon Blanc

ドッグ・ポイント・ヴィンヤード ピノ・ノワール

特別な区画のクローン樹のぶどうを使用。収量は1haヘクタール当たり30~35Lと少ない。開放式タンクで自然醗酵させた後、木樽で18カ月間熟成させる。
Dog Point Pinot Noir 2005 Marlborough

ドッグ・ポイント・ヴィンヤード シャルドネ

エリザベス女王がコロンビア大統領の公式晩さん会に用意したのが、ドッグ・ポイント・ヴィンヤードのシャルドネ。メンドーサとディジョン95をかけあわせたクローン樹のぶどうを使用。フレンチオークで18カ月間熟成させる。
Dog Point Chardonnay Marlborough New Zealand

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