コラム

カリフォルニアワイン協会、新たな日本事務局で活動スタート。新体制・今後の日本向けマーケティング戦略を発表

   

カリフォルニアワイン協会(California Wine Institute。以下、CWI)は2018年7月2日、新しい日本事務所を開設した。CWIに提出された数多くの提案書の中から選ばれ、株式会社日本アド(東京都新宿区)に日本事務所が置かれることになった。

また同日には、扇谷まどか氏と手島孝大氏が共同代表に就任し、2018年7月6日、グランドハイアット東京にて開催されたメディア発表会にて就任スピーチが行われた。

世界のワインに精通する扇谷氏と、ワインオーストラリアのアジア戦略を担った手島氏がタッグ

共同代表に就任した扇谷氏は、日本航空LA支店に勤務していた際にカリフォルニアワインに魅せられ、後にThe Opener株式会社を設立。ワインバーを2件経営し、軌道に乗せてきた。

現在、ロンドンに本部を置く世界最大のワイン教育機関「WSET」の最上位ディプロマ・レベル4の資格を持ち、世界のワインに精通している。


もう1人の手島氏は、ロサンゼルスの大学を卒業。大手飲料会社の米国法人や外資系戦略コンサルティング会社などを経て、ここ10年はワインオーストラリアのアジア太平洋地域代表を務めてきた。日本を含むアジア各国でのオーストラリアワインの販売促進に寄与してきた実績があり、その手腕が評価されるかたちとなった。


また会場では、当日参加できなかったCWI国際マーケティング担当のリンジー・ギャラガー氏のビデオレターが流れた。カリフォルニアワインにとっての日本市場の重要性、また今後の販促活動を活性化させていくことについて、大きな期待を寄せているというメッセージが寄せられた。

マーケティングプランを刷新、日本市場における販売戦略のキーワードは「親しみやすさ」

代表挨拶に続いて、今後の日本におけるカリフォルニアワインのマーケティング戦略について手島氏が説明した。全体的に、ワインのみではなくカリフォルニアの風土や文化、料理などを絡め、トータルでの「親しみやすさ」をアピールしていく計画だ。

今後のマーケティング戦略には10本の柱がある。ここでは、そのうち当日詳しい説明があった5点についてご紹介しよう。

ワインプロモーション

カリフォルニアワインをグラスで販売していく「バイ ザ グラス」プロモーションは1995年より続けられてきた。その実績をより正確に把握するため、POSキットの提供やデジタルツールの導入を進めていく。

業界向け試飲会

CWIアジアミッションの最終都市として、業界向け試飲会「カリフォルニアワイン グランドテイスティング」を10月末に東京にて開催する。
会場はホテルの宴会場などではなく、特別感のある会場として開東閣を選定した。開東閣は東京都・港区、品川付近にある旧岩崎家高輪別邸で、三菱グループの迎賓館として使われている建築物だ。
ワインセミナーやペアリングセミナーも開催していく予定だ。

消費者向け教育活動

ワインの知識のみならず、フードペアリングという側面からも消費者にアピールしていく。また消費者を“一般消費者”と“ワイン愛好家”という大きく2つの属性で捉え、それぞれに合わせたクラスやイベントを開講していく。

デジタル・マーケティング

今まで日本のWebサイトと英語Webサイトの日本語訳版が両方存在していた。必要な情報を見つけにくくなっていた現状を改善。短く分かりやすいURL(www.calwines.jp)のサイトに情報を集約して展開する。
SNSにおいては、カリフォルニアを感じられるような魅力的コンテンツをFacebook、Instagramで展開予定だ。

協力組織との連携・コラボレーション

アメリカ政府、カリフォルニア州政府、食・料理関連団体との関係をあらためて模索し、プロモーションや試飲会、教育活動やイベントなど、相互協力できる可能性を追求していく方針だ。


日本におけるカリフォルニアワインのさらなる販売拡大に寄与していく、という熱き思いが伝わるメディア発表会だった。

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身