コラム

ボジョレー・ヌーボー、2018年の解禁日は11月15日! 基礎知識を乾杯前にチェック

   

2018年も残すところ、あと2カ月。12月のクリスマスや年末に楽しむワインを選ぶのも楽しみだろうが、ワイン好きにとってはその前の11月に、「ボジョレー・ヌーボー解禁日」というイベントが待ち受けている。

ワインバザールはそんなボジョレー・ヌーボーの解禁日に向けて、2018年のボジョレー・ヌーボーを楽しむために役立ちそうな情報を提供していきたい。

今回は、これまでに掲載した記事などから、ボジョレー・ヌーボーに関する基礎知識をまとめてみた。

2018年のボジョレー・ヌーボー解禁日は?

ボジョレー・ヌーボーの解禁日は、11月の第3木曜日。2018年は、11月15日となる。

Beaujolais

もともと新酒・ヌーボー(同意語として「プリムール」も使われる)は、その年のぶどうの出来栄えをみるための試飲用のワインだった。

それが特別なワイン、「ボジョレー・ヌーボー」として扱われるようになったきっかけは1951年に起きた。

まず同年9月8日、第2次世界大戦の影響から酒の流通を管理していたフランス政府が統制を解除。その代わりに、1951年に収穫したぶどうを使った新酒をAOC(原産地統制呼称)ワインとして発売するのなら、12月15日以降にするように法律で定めたのだ。

ところが、その知らせを聞いたボジョレーのワインのつくり手たちが同年10月に、ボジョレーの新酒をもっと早く出荷したいと要求。再検討した結果、フランス政府は同年11月13日に、ボジョレーなどの一部のワインは、12月15日を待たず直ちに出荷していいと許可することになった。

その後の15年間は、解禁日が定められていない状態に。「1日でも早く出荷しよう」と競い合うようになった。ワインの品質が悪化することを恐れるようになったフランス政府が1967年に、「11月15日」を解禁日と定めることにした。

ただし11月15日が休日に当たると、ボジョレー・ヌーボーを入手できるのが翌日以降になってしまう恐れもある。そこで1985年に、現在のように「11月第3木曜日」をボジョレー・ヌーボーの解禁日とすることになったわけだ。

つまり2018年は、元々の解禁日「11月15日」に解禁される貴重な年だ。日本では時差の関係で、現地よりも8時間早く解禁を楽しめることになる。

Beaujolais

ボジョレー・ヌーボーってどんなワイン? 基礎知識を確認しておこう

ところで、「ボジョレー・ヌーボー」とはどんなワインなのだろうか。知り合いから「ボジョレー・ヌーボーって何?」と質問されたときのために、ボジョレー・ヌーボーに関する基礎的な知識をおさらいしていこう。

ボジョレー地区はどんな土地?

「ボジョレー・ヌーボー」(Beaujolais Nouveau)とは、フランス・ブルゴーニュ地方の南部にあるボジョレー(Beaujolais)地区でつくられたガメイ種のぶどうを使った赤/ロゼの新酒・ヌーボー(Nouveau)のことだ。

ワイン生産地としてのボジョレー地区はブルゴーニュ地方として語られるが、気候は南に隣接するローヌ地方とも似ている。ブルゴーニュ地方で赤ワイン品種と言えば、ピノ・ノワールの栽培が盛んだが、ボジョレーではガメイ種が主に栽培されている。

ボジョレー・ヌーボーに使われるガメイ種の特徴は?

年によって収穫時期は若干前後するが、ボジョレー・ヌーボーには8月下旬~9月ごろに収穫したガメイ(ガメ)種のぶどうが使用される。

ガメイの正式なぶどう品種名称は「ガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブラン」。その意味は「白い果汁を持った黒い果皮のガメイ」だ。

ガメイが栽培されているのは、主にボジョレー地区。世界で作られるガメイの栽培面積のうち、半分以上をボジョレー地区が占める。

vendanges grappe raisin

ガメイでつくったワイン、味わいの特徴はどうなる?

ガメイ種はタンニンが少なめでフルーティーな味わいが特徴になる。大粒で果汁が白いため、ワインの色調は明るめになる。ライトボディのワインに仕上がるため、熟成させるよりは早飲みすることが推奨される。

ボジョレー・ヌーボーの味わいは、まろやかで渋みや苦味が通常のワインより少ない。軽くフレッシュな仕上がりで、バナナのような独特な香りがある。

わずか数十日で出荷――なのにおいしく飲めるボジョレー・ヌーボーの製造方法

おいしいワインと言えば、じっくりと時間をかけて熟成させるようなイメージを持つ人も多いと思う。通常のワインなら出荷時期は早いものでもぶどう収穫の翌春となるが、ボジョレー・ヌーボーは、ぶどうの収穫からわずか数十日で瓶詰から出荷までが行われる。

それだけ短期間で仕上げるボジョレー・ヌーボーだが、おいしく飲めるのはマセラシオン・カルボニック製法(炭酸ガス浸潤法)という急速発酵技術を用いているからだ。この方法により、ガメイ種特有の強い酸味は和らげられ、渋味や苦味が少なくなる。

Beaujolais Nouveauのカタカナ表記、正しいものは?

Beaujolais地区の読み方としては、「ボジョレー」「ボージョレ」「ボジョレ」など、いくつかの表記が使われている。

フランス語の発音を日本語に直したために表記が混在しているが、どれを使っても間違いではないと言われている。ちなみに、Nouveauも「ヌーボー」「ヌーヴォー」などと読まれている。

Beaujolais

選び方の参考に! ボジョレーワインの種類や参考になるコンクール結果

ボジョレー・ヌーボーを買おうとしても、いくつかの種類が棚に並んでいて、どれを買えばいいのか、迷うことがあるかもしれない。

そこで、2018年に飲むボジョレー・ヌーボーを選ぶ参考になる情報をお届けしよう。

いったんボジョレー・ヌーボーから離れるが、ボジョレー地区でつくられるワインは、大きく分けて「ボジョレー」「ボジョレー・ヴィラージュ」「クリュ・デュ・ボジョレー」の3つに分類できる。

ただのボジョレーより高級な「ボジョレー・ヴィラージュ」

「ボジョレー・ヴィラージュ」は「ボジョレー」よりも厳選された畑、ボジョレー地区の北部にある38の村で採れたぶどうだけが使われている。味わいも奥行きとボリュームがある。多少お高くはなるが、ちょっとおいしいワインを楽しみたいのなら、「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー」を選んでおけば外れにくいだろう。

ボジョレーの最高級ワイン「クリュ・デュ・ボジョレー」

「クリュ・デュ・ボジョレー」のワインは、「ムーラン・ナヴァン」「サンタムール」といった産地の村名を名乗ることができる。ボジョレー・ヴィラージュよりもさらに限られた10の村だけが名乗れる名称で、その土地の個性を生かしたハイ・クオリティなワインだ。もちろん値段はさらに上がる。

クリュ・デュ・ボジョレーは、長期間の熟成に耐える高品質なワインの生産で知られ、クリュ・ボジョレーを包み込むような形でボジョレー・ヴィラージュがあり、さらにその外側にボジョレーの生産地が広がっている。

基本的に「クリュ・デュ・ボジョレー」のヌーボーと出会うことはないと思うが、「ボジョレー」「ボジョレー・ヴィラージュ」のヌーボーでボジョレーのワインに興味を持つようになったら、クリュ・デュ・ボジョレーのワインも試してみてはいかがだろうか。

トロフィー・リヨン受賞ワイン

ボジョレー・ヌーボーを選ぶ参考として、「トロフィー・リヨン」の結果にも目を通してくのもいいかもしれない。

トロフィー・リヨンとは、ボジョレー・ヌーボーの解禁直前に開催されるボジョレー・ヌーボー唯一の公式コンクールだ。「フランス醸造技術士協会(Oenologues de France)」が後援し、ワインの専門家や醸造家によって審査されている。

トロフィー・リヨンの発表を聞いてから、金賞や最高賞の大金賞を受賞したワインを狙い撃ちしてもいいし、過去の受賞歴を参考に受賞経験のある生産者のワインから選んでもいいだろう。

2017年は「アルベール・ビショー ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー 2017」や「アンリ・フェッシ・ボージョレ・ヌーボー・ロゼ・ローズラベル2017」などが金賞に輝いている。詳しい情報は、こちらの記事で取り上げている。

【関連記事】2017年のボジョレー・ヌーボー、フランスで金賞評価を得た“買い”のワインはこれだ!

2018年は11月11日に発表予定。ワインバザールでも、その結果をお伝えする計画だ。

ボジョレー・ヌーボーのおいしい飲み方

渋味が少なく、フレッシュで軽い飲み口のボジョレー・ヌーボーは、10~13℃くらいに軽く冷やして楽しむことをおすすめしたい。

一緒に楽しむ料理は、こってりしたものよりも、あっさりめで。赤ワインだが肉料理だけではなく魚介類とも合わせやすい。

ボジョレー・ヌーボーは、その年の出来立ての味わいを楽しむためのワイン。一般的には熟成させるタイプのものではない。解禁後はできるだけ早く、遅くても来年の春までには飲んでしまおう。
Beaujolais nouveau

ボジョレー・ヌーボーの仕掛け人、ジョルジュ・デュブッフ

ボジョレー・ヌーボーは世界中で商業的な成功を収めている。その最大の功労者は、“ボジョレーの帝王”と呼ばれている天才醸造家ジョルジュ・デュブッフ氏だ。

ジョルジュ・デュブッフ氏は、1933年にマコン村に生まれ、18歳でワイン業界に飛び込んだ。デュブッフ家は当時からワインづくりを手掛けており、ジョルジュ少年も高校時代、家族でつくったワインを自転車に積んで売り歩いていたという。

1957年にはワインのボトリングを開始、1964年にはジョルジュ・デュブッフ社を設立した。次第にリヨンを拠点とするスター・シェフ、ポール・ボキューズなどに認められるように。彼の愛した地元のワインを約120カ国で販売する世界的なワイン会社へと成長させた。

Beaujolais is coming back
1987年には、アメリカのワイン専門誌「ワイン・スペクテイター」がジョルジュ・デュブッフ氏を表紙にとりあげ、「King of Beaujolais(ボジョレーの帝王)」として紹介した。ボジョレーワイン、そしてボジョレー・ヌーボーを世界中に広めた功労者として、彼の名前は知れわたっている。

ボジョレー・ヌーボーは、日本では最盛期の2004年には年間1250万本、今でも600万本ほども輸入されている。

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