コラム

人気上昇中の生ワインとは? 購入方法やおすすめ生ワインも紹介

   

ワインなのに「生」!? 生ワインについて知ろう

生ビールや生酒があるように、ワインにも生ワインが存在する。生ビールは熱処理をしていないビールのことで、醸造技術が発達した現在では、瓶・缶にかかわらず、多くのビールが生ビールだ。また生酒は、「火入れ」と呼ばれる加熱処理をしていない日本酒だ。

同様にワインも、加熱処理がされていないワインを生ワインと呼ぶ。今回は、近年人気が上昇している生ワインについて紹介する。

生ワインとは何か

生ワインとは、明確な定義があるわけではないが、酸化防止剤や保存料を添加しないだけでなく、加熱殺菌およびろ過をしない、あるいは加熱殺菌をしないワインのことを言う。

生ワインには賞味期限がある

普通のワインは、加熱殺菌をしたり、酸化防止剤や保存料を添加したりして品質を保持しているので、賞味期限が設けられていないのが一般的だ。しかし生ワインは、前述したとおり、酸化防止剤や保存料の添加、加熱殺菌をしていない。そのため、製造してから短いものでは2週間、長いものでも6カ月ほどの賞味期限が設けられている。さらに、保管温度が低い場合が多いので、購入した際は、賞味期限だけでなく保管温度も確認した方が良い。

生ワインと通常のワインの違い

生ワインは、加熱殺菌をしていないため、総じて普通のワインよりもぶどう本来の味わいと香りを感じられる。また、瓶に詰めた後も発酵が続くので微発泡のワインとなる。加熱殺菌だけでなく、ろ過もしていない場合、日本酒の「濁り酒」のように濁ったワインになり、味わいだけでなく見た目にも普通のワインと大きな違いが出る。

生ワインの効能にも注目

ワインは、味わいや香りを楽しむだけでなく、健康に良いとされるアルコール飲料だ。赤ワインにはポリフェノールが豊富に含まれていて、その抗酸化作用によって動脈硬化を予防する効果があると言われている。ポリフェノールの1種であるレスベラトロールという成分は、認知症の予防に有効というデータがある。また、赤ワインに含まれるカリウムには、血圧を下げる効果があると言われている。

赤ワイン同様に、白ワインにもポリフェノールが含まれている。含有量は赤ワインに劣るが、白ワインに含まれるポリフェノールは、赤ワインのものよりも分子量が小さく消化吸収されやすいという特徴がある。なので、赤ワイン同様に、白ワインにも動脈硬化を予防する効果が期待できる。赤ワインよりは少ないものの、白ワインもむくみを和らげる効果があるというカリウムを含んでいる。さらに、白ワインには殺菌効果のある有機酸が含まれているため、食中毒の予防にも効果があるという。

これらの効能だけでなく、加熱処理されていない生ワインは、普通の赤ワインや白ワインよりも酵素やビタミンをより多く含んでいるので、より体に良い飲料と言える。

生ワインはどこで買える?

ぶどう本来の味わいや香りを楽しめ、体にも良い効果がある生ワイン。賞味期限があることや、温度管理が重要であるため、海外でつくられた生ワインが日本市場に出回ることはほとんどない。しかし幸いなことに、日本国内でも生ワインは生産されている。ここでは、生ワインを入手できる場所を紹介する。

ワイナリー

生ワインは、ワインの生産が盛んな山梨県や長野県、北海道のワイナリーでつくられている。そうしたワイナリーの直売所では、生ワインを入手できることもある。

山梨県では、勝沼の老舗ワイナリーとして知られる蒼龍葡萄酒や白百合醸造が生ワインをつくっている。120年以上の歴史を持つ蒼龍葡萄酒は、その伝統を大切にしつつ、新しい考えなども取り入れて、さらなる高みを目指している。ロリアンワインとして有名な白百合醸造は、ワイナリーツアーやイベントを多く開催していて、生ワインの瓶詰め体験も実施している。

また、意外に思うかもしれないが、スイーツで有名なシャトレーゼも生ワインを提供している。山梨県にシャトレーゼベルフォーレワイナリーを保有しており、ここでは、非加熱および無ろ過で醸造した生ワインを目の前で樽から直接瓶に注いでくれる、「樽出し生ワイン」という形で販売。ワイナリーだけでなく、一部のシャトレーゼ店舗でも実施している。

長野県では、1933年に創業した井筒ワインが、生ワインも生産している。井筒ワインでは、桔梗ヶ原の特産品種である食用のコンコード種やナイヤガラ種などを使用し、果実味を生かしたワインづくりをしている。

北海道の北海道ワインは、醸造する全てのワインにおいて、加熱処理をしていない。つまり、北海道ワイン が醸造したワインは全て生ワインということになる。

通販サイト

インターネットの通販サイトでも、生ワインを入手できる。楽天やAmazonで「生ワイン」を検索すると、さまざまな生ワインが表示される。ただし、酸化防止剤や保存料を添加していないだけ(加熱処理やろ過をしている)のワインも表示される場合があるので、加熱処理されていないこと、あるいは、加熱処理とろ過がどちらもされていないことを確認した方が良いだろう。

通販で買えるおすすめ生ワイン3選

月山山麓 ほいりげ/月山トラヤワイナリー(山形県)

「ほいりげ」とは、ドイツ語で「本年産のワイン」などを意味する。その名の通り、完全無添加で、発酵終了後すぐに瓶詰めして出荷する、出来立てのワインだ。酵母が生きたままの状態のため、微発泡の優しい味わいを楽しめる。白、ロゼがあり、毎年11月頃に出荷される限定品となっている。

生ぶどう酒 コンコード/井筒ワイン(長野県)

以前は、ワイナリーで働いている人や地元の人しか味わうことができなかったのだが、広く入手できるようになった。赤ワインのコンコードのほか、白ワインのナイヤガラもある。共にやや甘口で、生ワインの特徴であるぶどう本来の味と香りを十二分に楽しめる。

おたる ナイヤガラ/北海道ワイン(北海道)

北海道ワインが生産するワインは、全て非加熱の生ワインだ。その中でも「おたる」は、北海道ワインを代表するシリーズで、国産の食用ぶどうであるナイヤガラ種を100%使用している。マスカットのような香りと爽やかな味わいを楽しめる、やや甘口の白ワインだ。

海外の有名ワイナリーでは、加熱処理やろ過をしない生ワインが広く醸造されているものの、賞味期限や保存温度などの管理が難しく、残念ながら日本市場にはほとんど出回らない。裏を返せば、生ワインは、それだけ生のぶどう本来の性質を多く残しているということになる。そのため、ぶどうの品種や収穫された年、ぶどうが育った土地によって味と香りが明らかに異なるワインに仕上がる。好きなぶどう品種や生産地を見つけて楽しんでみてはどうだろうか。

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