コラム

オルネライアの特徴は? 「ボルゲリの奇跡」と呼ばれるワイン ~ 解説:スーパータスカン

前回、スーパータスカン(スーパートスカーナ)の代表格として、サッシカイアを取り上げた。そのサッシカイアに続いて登場し、スーパータスカンの評判を不動のものにした立役者が「オルネライア」だ。

サッシカイアが“扉を開けたパイオニア”なら、オルネライアは“華々しい結果を出したトップスター”。このコラムでは、オルネライアの歴史や特徴について説明していこう。

Ornellaia - Super Tuscan Wine Dinner - July 12th 2016 - Park Hyatt Saigon - HCMC

血縁でつながるサッシカイアとオルネライア

イタリア・トスカーナ州ボルゲリの領主、ゲラルデスカ侯爵家には2人の娘がいた。そのうちの1人はサッシカイアを生み出したインチーザ家に、もう1人は名門ワイナリーのアンティノリ家に嫁いだ。

このアンティノリ家の当主の弟が、後にオルネライアを生み出すこととなる。

ゲラルデスカ家には男性の跡取りがおらず、所有していたボルゲリの広大な土地はインチーザ家とアンティノリ家に分けられた。当時、アンティノリ家の当主・ピエロの弟であるロドヴィコ・アンティノリは、当時ボルゲリを離れてアメリカ・カリフォルニアでワイン醸造に挑戦していた。だが、ワイン界の重鎮から故郷ボルゲリの土地の可能性について示唆され、母の所有するボルゲリの土地を使ってワインをつくることになる。

時を同じくして、ボルゲリから素晴らしいワインを生み出そうと努力していたのがインチーザ家だ。インチーザ家は一足早くサッシカイアという「作品」を世に出し、成功を収めた。サッシカイアからオルネライアへ、ワインづくりのアドバイスなどもされていたとのことだ。

Cycling Tuscany / Ornellaia Wine

ボルゲリの土地とカベルネ・ソーヴィニヨン

ボルゲリの土壌は水はけが良く、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培にぴったりだ。また、日照時間が長く昼夜の気温差が大きく、細かな起伏のある地形が良質なミクロクリマを作り出す。このような恵まれた環境から、果実味たっぷりで奥行きのある味わいのぶどうが出来上がるのだ。

オルネライア 味わいの特徴

オルネライアは5割ほどのカベルネ・ソーヴィニヨン、4割ほどのメルロー、それにカベルネ・フランとプティ・ヴェルドをブレンドしてつくり上げる。

オルネライアの特徴として、濃厚な味わいが挙げられる。各区画のぶどうをそれぞれの特徴が最大限に引き出されるよう別々に醸造し、それをオルネライアの理念を体現できるようにブレンドしていく方法を採っている。

果実味をはっきりと感じられ、香りはあくまでエレガントに、またスパイスなどのニュアンスが複雑さを感じさせる。

10年以上の熟成が可能で、熟成を重ねるとより奥深い味わいが楽しめるようになる。

オルネライアのおすすめワイン銘柄

オルネライア

品質第一主義を掲げ、常にベストなコンディションでのワインづくりを徹底するオルネライアのファースト・ラベル。

09_flickr

レ・セッレ・ヌオーヴェ・デル・オルネライア

オルネライアと同じ畑の樹齢の若いぶどうを使用してつくられるオルネライアのセカンドラベル。カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を下げ、より早い時期から飲みやすいブレンドとなっている。

Tonight's blind. #loveandconsideration #Ornellaia #wine #dayoff

レ・ヴォルテ・デル・オルネライア

オルネライアの畑から採れるメルローを主体とし、カベルネ・ソーヴィニヨンとサンジョヴェーゼをブレンド。フレッシュな味わいで、日常的に楽しむためのオルネライアとして醸造される。

#vino #visioni #ornellaia #wine

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身