南三陸ワイナリーは2020年10月7日、宮城県南三陸町で初となるワイナリーをオープンした。ワインの醸造や貯蔵のための設備だけでなく、ショップ、テラス、ラウンジなどを備えた多目的施設で、地域の味わいとにぎわいの創造拠点を目指す。
南三陸町は、宮城県北東部に位置する。海と山に囲まれ、リアス式海岸特有の美しい景色、町の総面積の70%以上を占める森林など、豊かな自然に囲まれている。
一方で、2011年の東日本大震災以降、人口減少や少子高齢化が進み、大きな課題となっていた。こうしたなか、2017年に「南三陸ワインプロジェクト」が始動。ぶどうの栽培とワインづくりによって課題解決に取り組み、人と地域、人と人との“つながり”をつくることを目的に活動を開始した。
そのプロジェクトの拠点となるのが、今回オープンした南三陸ワイナリーだ。“南三陸のみんなとおいしくなりたい”というコンセプトを掲げ、ワインと食を通してさまざまなつながりをつくり、自立的で持続可能な地域社会の構築をミッションとしている。
ワイナリーは、ワインの醸造・熟成を担う「醸造棟」、ショップとコミュニケーションスペースを備えた「ショップ棟」、志津川湾や荒島を望む展望テラス「テラス棟」など、役割の異なる3つの棟で構成されている。ワインづくりや販売だけではなく、南三陸町全体を巻き込みつつ、“ワインと食材、人と地域のマリアージュ”を実現したいとしている。