サントリーは2024年9月4日、同社田町オフィス11階のカフェ「HARBOR」(東京都港区)にて、新商品を含む日本ワインの試飲会を開催した。
試飲会では、同社ワイン本部日本ワイン部長の宮下弘至氏、ワイン本部シニアスペシャリストの柳原亮氏が登壇し、産地の異なる甲州ワインの解説とともに、これまでの甲州栽培の取り組みや挑戦について話があった。
第1回となる本記事では、試飲会で紹介されたワインのうち、エントリーモデルながら海外コンクールで4ヴィンテージが連続受賞している「SUNTORY FROM FARM 甲州 日本の白」を紹介する。
DWWA 2024で銀賞を受賞
「SUNTORY FROM FARM 甲州 日本の白」は、同社の日本ワインブランド「FROM FARM」の中で、日本で育ったぶどう品種の個性を生かした「品種」シリーズに属する。
同ワインは国内外のコンクールで高い評価を得ており、例えば「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards:DWWA)」では、2019年からの4ヴィンテージが連続して受賞している。
2019ヴィンテージ 金賞(DWWA 2022、95pt)
2020ヴィンテージ 銀賞(DWWA 2023、90pt)
2021ヴィンテージ 銀賞(DWWA 2024、93pt)
2022ヴィンテージ 銀賞(DWWA 2024、90pt)
DWWAで甲州の評価が高い理由を、柳原氏は「すっきりきれいな甲州の特徴がヨーロッパで受けている」と分析していた。
SUNTORY FROM FARM 甲州 日本の白 2021
試飲会で提供されたのは2021ヴィンテージだ。和かんきつの香りと、洋ナシや青リンゴのような甘さを感じさせる香りが調和している。すっきりした味わい、甲州らしい爽やかな酸味が特徴。
◆SUNTORY FROM FARM 甲州 日本の白 2021
色、タイプ:白、辛口
産地:山梨県
ぶどう品種:甲州100%
参考価格:2200円(税込)
国内のワイナリー数、コンクール出品数が急増
試飲会の冒頭、日本ワインを取り巻く状況について宮下氏から話があった。国内のワイナリー軒数はこの10年で急増しており、2024年は10年前の2倍となる500軒に達する見込みだという。
コンクールへの出品数や受賞数も増えている。2024年の「日本ワインコンクール」は、出品した都道府県が前年の31から35に、ワイナリーが123から161に、出品数が709点から941点に増加した。また、DWWAで金賞以上を受賞した日本ワインは、2015~2019年は13品(Best in Show:0、プラチナ:5、金:8)だったが、2020~2024年は20品(Best in Show:1、プラチナ:5、金:14)と伸長している。
次回の記事では、山梨とは異なるテロワールを反映した長野の甲州ぶどうと、長野県立科町で生まれたチャレンジングな甲州ワインを紹介する。