既に味わった人も多いと思うが、2017年11月16日にボジョレー・ヌーヴォーの解禁日を迎えた。同日、メルシャングループが販売する“新酒”の「利き酒会」も開催されたので、レポートしていこう。
“新酒”として用意されていたのは、アルベール・ビショーの「ボージョレ・ヌーヴォー」「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー」のラインアップが中心。その他にも、イタリアの新酒「ヴィノ・ノヴェッロ」や、日本リカーが取り扱う「ルイ・ジャド」のボージョレ・ヴィラージュ・プリムールなどが楽しめた。
ボジョレー・ヌーヴォーは短期間の熟成でもおいしく飲めるように、「マセラシオン・カルボニック法」という特殊な製法でつくられている。ルイ・ジャドのプリムールは、そうした製法を用いず、通常の方法でワインを熟成する中でプリムール(新酒)として飲むのに向いたものを選りすぐったワインだ。
2017年のアルベール・ビショーは、「ボージョレ・ヌーヴォー 2017」を中心にしつつ、ロゼやノンフィルターのヌーヴォーを追加するなど、多様化するニーズに対応するため、ラインアップを拡充したそうだ。
イベントでは、ワインの試飲に加えて、2017年のボジョレー・ヌーヴォーに対する評価や、今後の展望について、関係者のスピーチを聞くことができた。
最初のスピーチは、メルシャンの森裕史マーケティング部長。「2015年が非常によかった年と言われていますが、そこに負けず劣らずのいい出来となっています。われわれメルシャンといたしましても、日本の食卓に1本でも多くのワインを引き続きお届けしていきたい」と話してくれた。
続いて登壇したのは、日本リカーの竹内誠代表取締役社長。「ご用意したプリムールは、収穫して2カ月ほど経ったもの。タンニンも丸くなり、味わいもソフト。フレッシュ、フルーティで色合いも明るいルビーレッドになっています」と紹介してくれた。
そしてメルシャンの代野照幸代表取締役社長は、乾杯のあいさつとして、次のようにコメントした。
「ボージョレが一番売れた年は2004年だったと聞きました。今年は半分くらいの量かなと。ボージョレの盛り上がりについては、大人の楽しみ方に移ってきたと思います。
ヌーヴォーについては最盛期の約半分ですが、日本のワイン市場はこの10年間で1.5倍に拡大しています。これからも伸びていく潜在性はあるものの、『踊り場を迎えた』とも言われています。
日本のワインメーカー各社や、インポーターが力を合わせて、チリワインに次ぐ起爆剤をつくっていかなければ。メルシャンとしても、日本のワイン市場を盛り上げていきたい」