コラム

「ぶどう農家のシャンパーニュ」 農家自らが作るおすすめシャンパーニュ

   

前回の記事で、「ぶどう農家のシャンパーニュ」についてご紹介した。今回は合同試飲会「ぶどう農家のシャンパーニュ 試飲商談会」で出品された日本未紹介のシャンパーニュの中から、生産者たちの個性が引き出された素晴らしいシャンパーニュたちをご紹介していこう。

ブノワ・コクトー

つくり手:ブノワ・コクトー
所在地:コトー・セザンヌ
年間生産量:約3万本
畑面積:9.5ha

つくり手のブノワ&エレーヌ・コクトーは1世紀以上にわたり、シャンパーニュづくりに従事してきた一家の出身だ。

オール・ブラン

シャルドネを100%使用したミネラルあふれる味わいが特徴。5g/lのドサージュ(補糖)をしたエクストラ・ブリュット・タイプ。ゴーエミオガイド(2018)では16/20点、独立系のワインメーカーコンクールで金賞を受賞した。

エテーネル・クレアシオン

1998年から2014年までのすべてのヴィンテージ(2003年を除く)のシャルドネをブレンドしたスペシャル・キュヴェ。
新しいヴィンテージのフレッシュさ、過去のヴィンテージの枯れたような魅力が同時に現れ、時の流れを舌の上で感じられるような独特の味わい。

マリー・ドゥメ

つくり手:マリー・ドゥメ
所在地:コート・ド・バール
年間生産量:約9万本
畑面積:10ha

10ヘクタールの畑はさまざまな村に広がり、それぞれのテロワールを生かした特徴的なぶどうが栽培される。

キュヴェ XIXeme

19世紀の醸造方法を完全に再現し、木樽で醸造したシャンパーニュ。シャルドネとピノ・ノワールを半々で使用。バランスのよさに樽由来の熟成香が複雑さを加え、特別な魅力を放つ味。

イヴリーヌ・プラ&ジョルジュ・ド・ラ・シャペル

所在地:コート・ド・ブラン
年間生産量:約9万本
畑面積:14ha

1haから徐々に広げた畑は、現在3大地域の9村に広がり、それらの多様なテロワールを生かしたシャンパーニュづくりが得意だ。品種もシャルドネ(29.5%)、ピノ・ノワール(42.5%)、ピノ・ムニエ(28%)とバランスよく栽培する。

キュヴェ・イヴリーヌ・プラ

シャルドネほぼ100%、熟成の間で目減りした分(約5%)をピノ・ムニエとピノ・ノワールで補完する。古い樽で熟成を重ね、シャルドネのレモン系のアロマではなくトロピカルフルーツ系のアロマを上手に引き出している。
独立系のワインメーカーコンクールで2017年に銀メダル、パリ農業コンクールで2018年に銅メダルを受賞。

フロモン・グリフォン

所在地:モンターニュ・ド・ランス
年間生産量:約4万本
畑面積:6.65ha
4世代にわたりシャンパーニュ生産を続けるつくり手。農家らしく、ぶどうそのものの魅力を重視した醸造法を採用している。

グランデ・リゼルヴ

粘土質が表面ではなく地中に隠れているという土壌の特徴により、フルーティーで丸みのあるシャルドネが採れるのが強み。そのシャルドネの魅力を前面に押し出した味わいを大切にしている。
ゴーエミオガイドにより、スペシャル・シャンパーニュとして選定された。

ジャン・プレネール

所在地:ブズィ
年間生産量:3万本
畑面積:5ha
ブズィ・グラン・クリュの中心に位置し、現当主は7代目という歴史ある農家。持続可能な生産者(VDC)として環境価値重視(HVE)の認証を受けている。

シャンパーニュ・ブリュット ヴァージョン・クラシック

クラシックなスタイルを目指してつくられるブリュット・タイプのシャンパーニュ。シャルドネ3割、ピノ・ノワール7割という品種バランスで、きれいな酸味のスタイリッシュな印象に仕上げている。

シャンパーニュ・ロゼ ヴェルジオン・グルマン

ブズィの特徴がよく出たロゼ。ブリュット・シャンパンにピノ・ノワールからつくられたブズィ・ルージュを13%加え、絶妙なバランスに仕上げている。優しいアロマと、ピノ・ノワール由来の適度なタンニンが特徴的。

ドゥアール・クリスチャン

所在地:ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
年間生産量:4万5000本
畑面積:4.55ha
ぶどう農家だった祖父、シャンパーニュづくりを始めた両親を継ぐつくり手。状態の良い古樹を使ったユニークなシャンパーニュをつくる。

トラディション

ピノ・ムニエに適したテロワールを生かしたシャンパーニュづくりをしている。りんごのようなアロマから、フレッシュでジューシーな味わいが広がり、同時に古樹由来の豊かな複雑味も感じる。日本ではあまり味わうチャンスの少ない、珍しいタイプの1本。

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身