今年もこの季節がやってきた。2019年5月28日、2019年のデキャンター・ワールド・ワイン・アワードの受賞ワインが発表されたのだ。
2019年度にエントリーされたワインの数は16,500本あまり。そのうちたったの50本(0.3%)が、最優秀賞にあたる「Best in Show」を受賞する。
100点満点中、97点以上のスコアがつくとプラチナ賞となり、それらのワインを再テイスティングした結果、この「Best in Show」が選ばれる。
このワインコンぺは、イギリスの権威あるワイン専門誌「デキャンター」(1975年創刊)により毎年開催される、世界最大級のワインコンペだ。完全なブラインドテスト形式で審査が行われ、その受賞動向はワイン業界で注目を集めている。2019年度の審査員は280名、審査は2週に渡って行われた。
イギリスのワインが高評価! 「Best in Show」2019年の勢力図
今年の話題として、イギリスが大躍進したことが挙げられる。「デキャンター」誌のお膝元であるイギリスは、近年、質の高いワインを作っているが、「Best in Show」50本の中に3本も入ったことに賞賛の声が上がっている。その他、ジョージアとギリシャのワインが1本ずつ受賞したことも、驚きをもって受け止められているようだ。
各国の受賞ワイン本数は以下の通り。本記事の最後に、受賞ワインをまとめておく。
フランス 13本
スペイン 8本
ポルトガル 6本
オーストラリア 6本
イタリア 5本
ニュージーランド 3本
イギリス 3本
アメリカ 2本
アルゼンチン 1本
ジョージア 1本
ドイツ 1本
ギリシャ 1本
プラチナ賞には日本のワインも
デキャンターのオフィシャルウェブサイトでは、今回のハイライトとして以下の点を挙げている。
1.イタリアは、カンパニア州のワインが注目の的。その中でも群を抜いた評価を得たのは、セナティエンポ・カリメーラが作るビアンコレッラ種のワインだ。ビアンコレッラはカンパニア州土着の品種。
2.ポルトガルは6本がBest in Show受賞という快挙を成し遂げたが、そのうち3本はポルトの酒精強化ワインだった。
3.昨年より大幅に受賞数が増加し、これまででもっとも成功した年となったのは、メキシコだ。2本が金賞を受賞、そのうち1本はメキシコではあまり一般的でないネッビオーロのブレンド。
4.アメリカのBest in Show受賞ワインは、両方ともカリフォルニア。カリフォルニアワインの再興を予感させる結果となった。
5.南アフリカは、Best in Show受賞は逃したものの、6本がプラチナ賞を受賞。その中には、ウエスタンケープ州の発泡ワインも含まれている。
6.中国は7本が金賞を受賞しており、そのワイン造りの勢いに翳りは見えない。
7.日本のサントリーが作る「登美の丘 甲州 2017」がプラチナ賞を獲得した。
<Best in Show受賞ワインリスト>