コラム

日本のスパークリングワインがトロフィーを受賞! ~ グラス・オブ・バブリー・アワード2019

イギリスのスパークリングワイン専門メディア「GLASS of BUBBLY」が主催する「グラス・オブ・ バブリー・アワード2019」で、日本のスパークリングワインが初めて金賞を受賞し、さらに部門最高賞であるトロフィーも受賞した。

「グラス・オブ・バブリー・アワード」とは

グラス・オブ・バブリー・アワードは、シャンパーニュを含むスパークリングワインに限定したワインコンテスト。2017年から開催されており、50人以上の審査員たちが2日にわたって審査する。

エントリーしたスパークリングワインは17のカテゴリー(部門)に分類され、各部門の最高賞である「トロフィー」やコンテストのグランプリ「The World’s Finest Glass of Bubbly」が選出された。

コンテストには第1審査と第2審査があり、第1審査では、審査員がブラインド・テイスティングでワインを審査し、金賞、銀賞、銅賞を決定。さらに、それぞれのワインを適切な部門に分類する。

第2審査もブラインド・テイスティングで審査。各部門で求められる味わいをどれほど表現しているかを評価する。第1審査で金賞または銀賞を受賞したワインのみが第2審査の審査対象となり、その中から最高評価を得たワインが各部門のトロフィーを受賞する。

日本初となる快挙

グラス・オブ・バブリー・アワード2019では、日本のスパークリングワインが初めて金賞およびトロフィーを受賞した。

日本のスパークリングワイン初の快挙を成し遂げたのは、山梨県のルミエールが産する「トラディショナルスパークリング KAKITSUBATA」と「スパークリングデラウェア2016」の2アイテム。ともに「Forget Me Not」部門で金賞を受賞した。「トラディショナルスパークリングKAKITSUBATA」は、各部門で最高評価を得たワインに贈られるトロフィーにも輝いた。この2アイテムが分類されたForget Me Not部門は、独自性が高く、際立った個性を持ったスパークリングワインが審査される部門だ。

トロフィーに輝いた「トラディショナルスパークリング KAKITSUBATA」は、山梨県産の甲州を樽発酵させた後、異なる年のものをブレンドし、瓶内二次発酵をさせてつくるスパークリングワイン。長期間熟成させて仕上げている。

金賞を受賞した「スパークリングデラウェア2016」は、山梨県産のデラウェアを使用したスパークリングワイン。瓶内二次発酵をさせた後、27カ月以上、熟成させている。この2アイテムを産したルミエールは、1885年(明治18年)に創業した老舗だ。

グランプリと各部門のトロフィー受賞ワイン

グランプリの「The World’s Finest Glass of Bubbly」は、エントリーした全アイテムの中で最高評価を獲得したワインに授与される。2019年のグランプリにはフランスのシャンパーニュ、ロジェ・ブリュン(Roger Brun)が産した「レゼルヴ・ファミリアル2004(Réserve Familiale 2004)」が輝いた。

各部門の特徴とトロフィー受賞ワインは次の通り。

・Forget Me Not部門
独自性が高く、際立った個性を持ったワインが分類される。トロフィーは、日本のルミエールの「トラディショナルスパークリングKAKITSUBATA」が受賞した。

・Creamy部門
口当たりが滑らかで、香りや味わいにクリーミーさが感じられるワインが分類される。トロフィーは、イタリアのフラテッリ・ピゾーニが産した「トレントDOC ピゾーニ ブリュット ミレジマート(TrentoDoc Pisoni Brut Millesimato)」が受賞した。

・Classic & Elegant部門
スタイリッシュで洗練されたワインが分類される。トロフィーは、フランスのシャンパーニュ、フレールジャン・フレールが産した「キュヴェ・デ・ウサール2012 プルミエ・クリュ(Cuvée des Hussards 2012 Premier Cru)」が受賞した。

・Fireworks部門
芳醇で力強いワインが分類される。トロフィーは、スロベニアのヴィナ・コバルが産した「テラノヴァ・ペニーナ・テラ(Teranova Penina Tera)」が受賞した。

・First Date部門
初めてのデートにぴったりで、複雑すぎず、料理を選ばないワインが分類される。トロフィーは、オーストリアのシュルンベルガーが産した「ロゼ ブリュット クラシック(Rosé Brut Klassik)」が受賞した。

・Gastronomic部門
一般的なメインディッシュとの相性が良い、しっかりとしたボディと複雑さを備えたワインが分類される。トロフィーは、イギリスのフォックス&フォックスが産した「ミッドナイト・ダーク・ドライ ロゼ ブリュット 2011(Midnight Dark Dry Rosé Brut 2011)」が受賞した。

・Dessert部門
甘みがあり、デザートとの相性が良いワインが分類される。トロフィーは、アルゼンチンのファミリア・シュレーダーが産した「デセアード ロゼ(Deseado Rosé)」が受賞した。

・Hint of Spice部門
スパイシーさを感じるワインが分類される。トロフィーは、スロベニアのヴィナ・シュトーカが産した「プリマ・テラン スパークリング(Prima Teran Sparkling)」が受賞した。

・Light & Fruity部門
フルーティーで軽く飲みやすいワインが分類される。トロフィーは、イギリスのフィッツが産した「フィッツ・ピンク(Fitz Pink)」が受賞した。

・Meditation部門
栓を開けて時間が経つほど、そしてグラスに注いで時間が経つほど味わい深くなり、リラックスしている時に飲みたくなるワインが分類される。トロフィーは、ドイツのモッツェンベッカーが産した「ロゼ ブリュット(Rosé Brut)」が受賞した。

・Oaky & Toasty部門
オーク樽で熟成され、トーストの風味を持つワインが分類される。トロフィーは、イタリアのフェッラーリ・トレントが産した「フェッラーリ・ペルレ2013(Ferrari Perlé 2013)」が受賞した。

・Sea Breeze部門
浜辺に立ち、空中に飛び散った海水を味わっている姿をイメージさせるようなワインが分類される。トロフィーは、イタリアのランティエリが産した「フランチャコルタ・サテン(Franciacorta Satèn)」が受賞した。

・Spring Fling部門
申し分のないフローラルな味わいと香りを持つワインが分類される。トロフィーは、イギリスのボルニー・ワイン・エステートが産した「キュヴェ ロゼ(Cuvée Rosé)」が受賞した。

・Summer Days部門
複雑なワインである必要はないが、清涼感とキレのある味わいで、日なたや日陰で楽しめるワインが分類される。トロフィーは、イギリスのレイムズが産した「ヴィンテージ ロゼ(Vintage Rose)」が受賞した。

・Winter Warmer部門
冬の夜に暖炉の前で飲みたくなるような、濃厚な味わいのワインが分類される。トロフィーは、スロベニアのヴィナルストヴォ・レブーラが産した「ブルストウスカ・ぺニーナ・テラン(Br’stovska Penina Teran)」が受賞した。

・Vintage部門
非常に複雑なアロマと何層にもわたり、長く続く味わいを持つワインが分類される。トロフィーは、イタリアのアルンダが産した「キュヴェ マリアンナ(Cuvée Marianna)」が受賞した。

・Zesty & Zingy部門
しっかりとした柑橘類のフレーバーを持つワインが分類される。トロフィーは、スロベニアのラドゴンスケ・ゴリツェが産した「ズラタ・ラドゴンスカ・ペニーナ セレクション ブリュット2016 (Zlata Radgonska Penina Selection Brut 2016)」が受賞した。

この他に特別賞として、「マイケル・エドワーズ賞」にイタリアのテヌータ・マッツォリーノ(Tenuta Mazzolino)が産した「クルアゼ・オルトレポー・パヴェーゼ ピノ・ネロ ロゼ(Cruasé Oltrepò Pavese Pinot Nero Rosé)」が、サステナビリティ(持続可能性)の点で最も優れているワイナリーに贈られる「サステナビリティ賞」にドイツのモッツェンベッカーが選出された。

<関連リンク>
「グラス オブ バブリー アワード 2019」受賞のお知らせ

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