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ワインの産地としてあまり知名度は高くないが、近年その評価が高まり、世界中から注目されている、南米ウルグアイ。そのウルグアイで新進気鋭のワイナリーとして頭角を現しているのが、ボデガ・ガルソン(Bodega Garzón)だ。2020年には、「ワールド・ベスト・ヴィンヤード(World’s Best Vineyards)」で2位と、見事な結果を残した。
ウルグアイの新鋭ワイナリー
ボデガ・ガルソンは、手掛けるワインがワイン専門誌『ワインスペクテイター(Wine Spectator)』でウルグアイ初の世界TOP100に選出されるなど、同国内でトップを走る気鋭のワイナリーだ。
創業者は、アルゼンチンの石油ビジネスで成功を収めたアレハンドロ・ブルゲローニ氏。ブルゲローニ氏は世界中のワイナリーに出資しているワイン愛好家で、1999年にウルグアイのマルドナドにあるガルソン地区にぶどう畑を含む土地を開拓した。
さらに、ワインづくりにあたって、アルゼンチンのワイン醸造家であるカルロス・プレンタ氏と、イタリアワインの醸造家であり世界的なワインコンサルタントのアルベルト・アントニーニ氏らを招き、ボデガ・ガルソンはワイナリーとして急速な発展を遂げた。
ブルゲローニ氏が「ワインづくりに最適な土壌」だとして開拓を決めたガルソン地区は、大西洋の海風と温暖な気候、ミネラル豊富な結晶岩を含む水はけのよい土壌など、ぶどう栽培にとって適した環境がそろっている。全て人の手によって収穫されるぶどうは、フランス南西部を原産とするタナ種が中心だ。ウルグアイワインの主力品種であるタナは、タンニンに由来するその名の通り、タンニンがしっかりと感じられ、熟した果実味との調和が楽しめる。
世界基準のサステナブル認証を取得
ボデガ・ガルソンは、米国グリーンビルディング協会の厳しい要件を満たし、北米以外で最初に持続可能なLEED認定(エネルギーおよび環境デザインのリーダーシップ)を受けたワイナリーだ。山中の高台に建てられた1万9050m²の広大な施設は、モダンなデザインが目を引く。施設は最新の技術を活用し、重力エネルギー貯蔵システムのほか、風力や太陽光などの自然エネルギーを発電に利用している。
こうした、環境に配慮した世界基準のサステナブルなワインづくりが、ガルソンの評価を高めているようだ。
個性的なワイナリーツアー
ワイナリーツアーでは、ぶどう園やワイナリーを巡り、テロワールやぶどう品種、施設の特徴などについて専門ガイドから説明を受けた後、併設のレストランでランチを楽しめる。
レストランは、パタゴニアのスターシェフであるフランシス・モールマンがプロデュースしており、彼が専門とする焚火料理をガルソンのワインとペアリングして提供している。テラスの向こうには田園風景やぶどう園の雄大なパノラマビューを望める最高のロケーションが広がる。モールマン氏の焚火料理が学べる料理教室も開催しているので、興味があれば熟練のスタッフから教わることも可能だ。
また、他にはないユニークな特徴もある。敷地内でのハイキング、乗馬、ぶどう園でのピクニック、熱気球体験など、多彩なアウトドアアクティビティが楽しめる一大アミューズメント施設のようになっているのだ。さらに、ビジネスやプライベートのイベントに使えるラウンジスペースもある。
ボデガ・ガルソンでは、ワインづくり以外にも環境への配慮、食、ホスピタリティ、観光といった多様な要素を取り入れ、ワイナリーを訪れた人に、さまざまな楽しみ方を提供している。
ボデガ・ガルソンのおすすめワイン
ガルソン・タナ・レゼルヴァ
ワイン専門誌『ワインスペクテイター』において、2017年度世界TOP100中の41位に選ばれた実力を持つ。ウルグアイのタナ「ウルタナ」を100%使用し、濃厚な赤い果実の味わいの中にしっかりとしたタンニンとミネラルが感じられる。
ガルソン・バラスト
ボデガ・ガルソンのアイコンワインで、タナの他に、カベルネ・フランやプティ・ヴェルドなど数種を使用。スパイスやビターチョコ、ナッツを思わせる複雑な香りを持つ。味わいは、プルーンやブラックベリーなどの果実味とタンニンが見事に調和している。
ガルソン・タナ・シングルヴィンヤード
2017年に世界的なワインコンクール「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards:DWWA)」で、上位1%未満のワインに授与される「BEST IN SHOW」を獲得したプレミアムワイン。単一畑のぶどうを利用しており、樽熟成がもたらす複雑な風味を特徴とする。