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スペイン王室御用達のワイナリー、マルケス・デ・リスカル(Marques de Riscal)。2020年の「ワールド・ベスト・ヴィンヤード(World’s Best Vineyards)」では、世界第6位という素晴らしい結果を残した。
2013年には、ワイン専門誌『ワイン・エンスージアスト(Wine Enthusiast)』の「ワイン・スター・アワード」において、ワイン業界に貢献したとして「ヨーロピアン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、過去にも数々の輝かしい業績を残している。
リオハに革新をもたらしたワイナリー
スペイン北部のリオハは、土壌や気候がワインづくりに最適で、世界的な名醸地として知られている。マルケス・デ・リスカルは、リスカル侯爵によって1858年に創業、1860年にワイナリーが設立された。リスカル侯爵は、リオハのワインの品質を向上するため、フランス・ボルドーからカベルネ・ソーヴィニヨン種などの苗木を持ち帰って移植し、伝統的なリオハのワイン製造法からボルドーの製造法へと改革した。1868年にはボルドーから技術職人のジャン・ピノーを招き、赤ワインを中心に、さらに品質を高めた。
マルケス・デ・リスカルの名は一気に市場に広まり、1876年にはブリュッセル展示会で金メダルを、1929年にはバルセロナ国際展示会でグランプリを受賞した。
王室や著名人も愛飲する高品質なワイン
マルケス・デ・リスカルは、リオハやマドリード北西にあるルエダなどでぶどうを栽培している。環境や生物多様性に配慮し、有機栽培に力を入れたサスティナブルなワインづくりは、EUからも承認を得ている。
栽培しているのは主にテンプラニーリョ、グラシアーノ、マスエロ種で、樹齢の高い樹の実を使うことで、深い味わいのワインができるという。手作業で果実を厳選し、その後樽で長期熟成させるなど時間と手間をかけ、数々の高品質ワインをつくり出している。
スペイン王室御用達のワイナリーとしても有名で、王室用ワインとして「ティント・レセルバ」を毎年醸造し、国王専用ワインもセラーに常時保管している。
さらに、20世紀美術を代表するスペインの芸術家、サルバドール・ダリをはじめ、多くの著名人がマルケス・デ・リスカルのワインを愛飲していたとされる。
5つ星名門ホテルと歴代ヴィンテージを所蔵するセラー
2006年には、「シティ・オブ・ワイン(City Of Wine)」を設立し、ワイナリーの敷地にデザイナーズホテルを建設した。設計は、ビルバオ・グッゲンハイム美術館を手掛けた建築家、フランク・ゲーリー。波打つメタリックな屋根がモダン・アートのような個性を放っている。
運営はSTARWOOD HOTEL & RESORTで、43室の客室、バスク伝統料理と地元のワインを楽しめるミシュラン1つ星獲得のレストラン、ルーフトップのラウンジやワインバー、フィットネス、ワインセラピーが受けられるスパなどを備えた5つ星の名門ホテルだ。
ホテルに宿泊してアクティビティを楽しむのはもちろん、ワイナリーツアーでは、1860年に建てられたワインセラーをぜひ訪れたい。最初のヴィンテージとなる1862年のワインから現在のヴィンテージまでが全て保存されているセラーは、このワイナリーの約160年の歴史が詰まっている貴重な場所。ワイン愛好家は必見だ。
マルケス・デ・リスカルのおすすめワイン
ティント・レセルバ
スペイン王室用に醸造していることで有名なワインだが、リーズナブルで入手しやすく、人気が高い。樹齢40年以上のぶどうを使用し、長い樽熟成に加えて、最低でも1年瓶熟成をしてから出荷している。バニラ香と適度なタンニン、爽やかでエレガントな味わいが魅力だ。
リスカル テンプラニーリョ
テンプラニーリョ種とシラー種を使用し、アメリカン・オーク樽で約6カ月熟成させた赤ワイン。バランスの取れたタンニンが感じられ、しっかりとした味わいと余韻が残る。
オーガニック ブランコ
EU承認の有機ぶどう、ヴェルデホ種を100%使用し、最新設備を備えたルエダのワイナリーで醸造した白ワイン。アニスやフェンネルのアロマに、爽やかでフルーティな味わいが心地良い。