「イタリアン」という呼び名で親しまれているイタリア料理をレストランやホームパーティーなどで楽しむときに、どんなワインを合わせるとよりおいしく味わえるのか。知っているようで意外と知らない、イタリアンに合うワインやその選び方についてご紹介する。
ワインを選ぶ前に「イタリアン」の基礎をおさらい
「イタリアンってどんな料理?」
そう改めて聞かれると、返答に困ってしまう人も少なくないだろう。イタリアンに合うワインを選ぶ前に、まずはイタリアンについておさらいしておこう。
イタリアンの主食はパンやパスタだ。また、どんな料理にも、オリーブオイルが多用される。イタリアは比較的温暖な気候であるがゆえに、痛みやすい魚介を丸ごと使うなど、素材の良さを生かした調理法を用いるのも特徴的。そのため、食材の臭みを消して風味を増すよう、オリーブオイルの他にハーブやニンニクなどもよく使用されている。
次に、イタリアンのフルコースについて。正式なフルコースは9つの構成から成り立ち、それぞれが役目を持っている。また、料理は1品ずつ出され、食べ終わるまで次の料理はサーブされない。和食などに比べるとかなりボリューミーな内容で、日本のイタリアンレストランでフルコースメニューを全て出すところはそう多くない。実際に本場イタリアのレストランでも、いくつか省略されることがある。
■イタリアンのフルコース
アペリティーボ・・・食前酒
ストゥッツィキーノ・・・食前酒に合わせるおつまみ
アンティパスト・・・前菜
プリモ・ピアット・・・「第一の皿」
セコンド・ピアット・・・「第二の皿」でメインディッシュ
コントルノ・・・野菜料理でセコンド・ピアットの付け合わせ
フォルマッジィ・・・チーズ
ドルチェ・・・デザート
ディジェスティーボ・・・食後酒
イタリアンに合わせるワインはコース内容を意識して
イタリアンのフルコースの料理にはそれぞれ役割があり、原則食べ終わるまで次の料理はサーブされない。そのため、イタリアンにワインを合わせるときはコース内容を把握し、その順番や流れを意識して、バランスを取りながら選ぶことが大切だろう。
それでは、コース料理の中から、アンティパスト、プリモ・ピアット、セコンド・ピアット、コントルノ、ドルチェに合うワインやその選び方について、それぞれご紹介しよう。
前菜(アンティパスト)に合うワイン
イタリアンの前菜には、メインが出るまでにまず空腹を満たして食欲を駆り立てる役割があり、サラダやカルパッチョなど簡単でシンプルな料理が出されることがほとんどだ。ワインを合わせるときは、この後に出てくるメインをはじめとした重めの料理のことを考え、キリッとした辛口のスパークリングやシャルドネを選んでみるのはいかがだろうか。メインでボトルワインをオーダーする予定であれば、ここではグラスで注文するのがいいだろう。
メイン前の料理(プリモ・ピアット)に合うワイン
プリモ・ビアットは、本格的な食事のスタートを切るひと皿で、パスタやリゾットなどの炭水化物が豊富な料理や、スープ料理が出されるのが基本だ。ここからしっかりした味わいの料理が順次出てくるので、さっぱりしたワインで食欲を促しておきたいところ。例えば、ボロネーゼなどトマトベースのパスタなら酸味とフルーティさを併せ持つキャンティを。チーズをふんだんに使っている濃厚なリゾットであれば、前菜と同じくすっきりとした辛口のスパークリングなどもおすすめだ。
メイン料理(セコンド・ピアット)に合うワイン
セコンド・ピアットはコースのメイン料理で、肉料理または魚料理が基本となる。どっしりとした強い味わいの料理が多いので、ワインも濃厚なものを選んでみてはいかがだろうか。料理が郷土料理であれば、産地を合わせてワインを選ぶのもあり。ゆっくり料理を楽しむなら、ここでフルボトルをオーダーするのもおすすめだ。ソムリエがいる店なら、料理に合わせてアドバイスしてもらうのもいいだろう。
付け合わせ(コントルノ)に合うワイン
コントルノはセコンド・ピアットに付け合わせとしてサーブされる野菜料理。メインと一緒にいただくものなので、ここではセコンド・ピアットでオーダーしたワインと同じワインを合わせるのが無難。
デザート(ドルチェ)に合うワイン
ドルチェは、メイン料理を食べ終えた後にいただくデザートのこと。甘いデザートをさらに深く味わうために、甘口のデザートワインをオーダーしてみるのはいかがだろうか。口直し的にすっきりしたワインを合わせるよりも、デザートのおいしさをより引き立ててくれる。
イタリアンに合うワイン10選
せっかくイタリアンを味わうなら、イタリア産の上質なワインと合わせたい。そんなあなたにおすすめしたい、イタリアンに合うイタリアワインを10本厳選。一口にイタリアワインと言っても、ワインの種類や使用するぶどう品種、安いものから高額なものまでさまざまだ。前菜からメイン、ドルチェまで、そのシーンに最適な1本を選ぶのに役立ててほしい。
アダミ ボスコ・ディ・ジーカ ブリュットNV
~前菜に合わせたいプロセッコからおすすめの1本~
プロセッコとは、主にヴェネト州でつくられるスパークリングワインのこと。同州のヴァルドッビアーデネ地区で栽培したぶどうを使用する。ワイン評論家のニール・ベケットが著した書籍『死ぬ前に飲むべき1001ワイン』(ガイアブックス、2009年)にも選ばれた銘柄。泡が滑らかで、リンゴやナシの爽やかな果実感が味わえる。
参考小売価格:3300円
ドネリ・ランブルスコ・レッジャーノ・アマービレ スカリエッティ・ボトル
~前菜からメインまでいろんな料理に合わせられるランブルスコ~
ランブルスコは、エミリア・ロマーニャ州でつくられる赤のスパークリングワイン。「プラマッジョーレ全国ワインコンテスト」で金賞を受賞。フェラーリで知られる、セルジオ・スカリエッティ氏がデザインを手掛けたデザインボトルが特徴。爽やかな飲み口ながら華やかで甘みのあるスパークリングワイン。
参考小売価格:1802円
アンティノリ トルマレスカ シャルドネ
~前菜にも魚介類のメインにも合う上質なシャルドネ~
名門アンティノリがつくる、上質なシャルドネ。魚介類と合うことで知られる白ワインだが、すがすがしい味わいなので、キリッと冷やして前菜と一緒に味わうのもおすすめだ。
参考小売価格:1760円
フィラドーロ フィアーノ フリッツァンテ フリッツィ
~マルゲリータにはカンパーニャ州の白ワインを~
マルゲリータピッツァをオーダーするなら、マルゲリータが郷土料理となっているカンパーニャ州のフィアーノがおすすめだ。カンパーニャ州フィアーノ・テイスティングで1位を獲得したという注目の1本。
参考小売価格:2860円(税込)
イル・ボッロ アルパ・キャンティ
~シーンを選ばないオールマイティーでスタンダードなキャンティ~
サルバトーレ・フェラガモファミリーが手掛けていることでも広く知られるキャンティ。酸味とフルーティさを兼ね備えたミディアムボディの赤ワインで、アンティパストからメインまで、幅広い料理と相性が良い。
参考小売価格:2420円
バローネ・リカーゾリ コッレディラ キャンティ・クラシコ グラン・セレツィオーネ
~特別なディナーにはサンジョヴェーゼの最高級キャンティを~
イタリアワインの格付けで最高位のDOCGに認定されている、キャンティ・クラシコ。その特級畑とも称されるグラン・セレツィオーネの赤ワインは、エレガントで爽やかな香りと酸味、上品さを併せ持つ特別な1本。メインで食べられるトスカーナの郷土料理、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナに合わせたい。
参考小売価格:8600円
サン・マルツァーノ コレッツィオーネ チンクアンタ
~全世界で85もの賞に輝いた話題の赤ワイン~
ワイナリーの50周年を記念し、複数のヴィンテージワインをブレンドした究極の1本。濃厚な味わいのフルボディ赤ワイン。記念日のディナーなどでメイン料理に合わせてチョイスしたい。
参考小売価格:3000円
コッラヴィーニ フリウラーノ
~メイン料理を魚介料理にするならイタリア名産地の白ワインで~
イタリア白ワインの名産地フリウリの老舗ワイナリー、コッラヴィーニによる高品質なワインで、世界中の高級レストランやワインショップで支持されている。辛口でビターアーモンドを思わせるニュアンスがあるとされ、メインに魚介料理を選ぶときに合わせたい。
参考小売価格:2700円
バディア・ア・コルティブオーノ ヴィン・サント デル キャンティ・クラシコ
~ドルチェに合わせたいデザートワインといえばヴィン・サント!~
キャンティ・クラシコ最古の歴史を持つワイナリーでつくられる、極上のデザートワイン。ハチミツやバニラのニュアンスがあり、カラメルソースを思わせる味わいが口の中に広がる。
参考小売価格:6200円
カ・ルガーテ レチョート・ディ・ソアーヴェ ラ・ペルラーラ
~陰干しぶどうからつくる白の甘口デザートワイン~
実力派生産者のカ・ルガーテがつくる、ぜいたくなデザートワイン。バランスの良い甘みとサルタナレーズンなどを思わせる香りで、甘いスイーツや青カビのチーズと相性が良い。
参考小売価格:4500円
イタリアンのフルコースは、それぞれの料理に合わせてワインをチョイスするのが大切なポイント。料理とワインの産地を合わせるのもおすすめだ。イタリア各地でつくられるワインは、それぞれが個性的でワイナリーのこだわりも深い。気になるワインをチョイスしながら、イタリアンとイタリアワインのマリアージュを楽しんでみてはいかがだろうか。