サントリーワインインターナショナル(SWI)は2022年1月21日、「2022年事業方針説明会」を開催した。サントリーホールで行われた会見は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、前年同様オンラインでも配信された。
会見では、SWIの2021年実績やコロナ禍におけるワイン需要、2022年に計画されている取り組みや新商品について発表があった。
2022年事業方針の4本柱
2022年の事業方針として、同社は既存ユーザーだけでなく、これまでワインにあまりなじみがなかった人にもワインを飲んでもらえるよう、次の4本柱に注力して取り組んでいく。
「日本ワイン大刷新」
「缶商品による新需要創造」
「ものづくり力を活かした国産カジュアルワイン強化」
「輸入ワインの価値訴求の強化」
今回の記事では、4本柱のうちの「日本ワイン大刷新」について紹介していく。
次の100年につながる日本ワインを
ワインビジネスはサントリーの祖業であり、100年以上にわたってワインづくりを手掛けてきた。SWI代表取締役社長の吉雄敬子氏は、自社の日本ワインを「日本ワインの中でもトップの品質にし、世界で評価されるブランドに育てていきたい」と語った。次の100年につながるような日本ワインをつくるため、創業者・鳥井信治郎氏の名言「やってみなはれ」の精神で取り組んでいくという。
成長を続ける日本ワイン
日本ワイン市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、ここ2年は前年を下回っているが、近年の動向を見ると右肩上がりで成長しており、10年間で1.6倍に拡大している(SWI推計)。
SWIは、この背景として日本でワイナリーが増えていることを挙げている。2009年の農地法改正や2015年の日本ワインの基準明確化の後押しもあって、多くのワイナリーが誕生しており、直近5年では100軒以上増加しているという。
SWIでは、少量生産や自園産にこだわってつくった、高品質で個性豊かな日本ワインが、今後ユーザーの支持を得るだろうと考えている。
日本ワインの魅力を伝える登美の丘ワイナリー
同社の登美の丘ワイナリー(山梨県甲斐市)は、1909年の開園から100年以上の歴史を持つ。同ワイナリーでは、不耕起草生栽培や剪定枝を再利用する循環型農業、気候変動への対応といった自然(環境)面、そして地域の遊休農地の活用、次世代の栽培技術者育成や農業教育支援など社会的な面の両面から、持続可能な農業に取り組んでいる。
ぶどうづくりから醸造、ワイン販売までを一貫してできるのがワイナリーの強みであり、ワインづくりをユーザーに直接見てもらうことで、ワインの魅力をより伝えられる。
同社は、2022年秋に登美の丘ワイナリーの大刷新を計画しており、リアルな場であるワイナリーと、ECサイトやウェビナーなどオンラインによる発信力を強化することで、日本ワインのファンを増やしていきたいとしている。
【サントリーワイン2022年事業方針説明会】
①2021年の実績とコロナ禍でのワイン需要