コラム

サントリーワインインターナショナル2022年事業方針説明会④ ――リニューアルや新商品で既存ブランドを強化

サントリーワインインターナショナル(SWI)は2022年1月21日、「2022年事業方針説明会」を開催した。サントリーホールで行われた会見は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、前年同様オンラインでも配信された。

会見では、SWIの2021年実績やコロナ禍におけるワイン需要、2022年に計画されている取り組みや新商品について発表があった。今回の記事では、2022年事業方針のうち、国産カジュアルワインと輸入ワインの強化について紹介する。

好調の国産カジュアルワイン

国内で製造される国産ワインは、日本で採れたぶどうを100%使用する「日本ワイン」と、国産と海外産ぶどうでつくるワインに分けられる。SWIでは、国産ぶどうと海外産ぶどうを合わせてつくるワインを「国産カジュアルワイン」と独自の名称で呼んでいる。

同社の国産カジュアルワインは好調で、2007年から14年連続で売上を更新している。特に「酸化防止剤無添加」シリーズの人気が高く、2015年以降、国内ワイン市場において販売容量No.1(※)ブランドとなっている。
※インテージSRI+調べ、国内ワイン市場(国産+輸入)販売容量(全国SM/CVS/酒DS/ホームセンター/ドラッグストア/一般酒店/業務用酒店計)

同シリーズはこれまで、「氷と楽しむおいしいワイン。」「贅沢ポリフェノール」「ストロング」「糖質30%オフ」などさまざまなラインアップが発売されており、ユーザーの健康志向の高まりとも相まって、同社の主力商品となっている。同社は今後も、新たな付加価値を持つ商品を開発し、同シリーズを伸ばしていく計画だ。販売目標を、2022年は前年比107%の255万ケース、5年後の2027年には400万ケースと設定している。

「酸化防止剤無添加」シリーズ

「酸化防止剤無添加」シリーズ、おいしさの秘密

「酸化防止剤無添加」シリーズのおいしさの秘密について、同社輸入・カジュアルワイン事業部 商品生産開発グループ部長の塚本環氏から説明があった。

輸入・カジュアルワイン事業部 商品生産開発グループ部長の塚本環氏

酸化防止剤(亜硫酸)には、ワインの酸化や雑菌の繁殖を防ぐ役割がある。そのため、亜硫酸を添加せずにワインを製造する際は、より細やかな酸素管理や発酵技術が求められる。塚本氏によると、同社は製造工程での徹底した酸素コントロールと、特許取得の高密度酒母発酵技術によって、フレッシュでフルーティな味わいのワインを生み出しているという。

輸入ワイン強化で、ワンランク上の飲用体験を提供

2022年事業方針説明会①の記事で紹介したように、コロナ禍を背景としたワインユーザーの変化として、若年層のワイン購入者と高価格帯ワインの購入者が増えたことが挙げられる。同社は2022年、新需要の開拓と併せてプレミアム価格帯(1200円以上2000円未満)のワインに力を入れていくとしている。

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その一環として、1985年から同社と業務提携している、ドメーヌ バロン ド ロートシルト(DBR)ラフィットのボルドーワインに関して、さまざまな取り組みを展開する。また、デイリー価格帯の「サンタ バイ サンタ カロリーナ」シリーズから、ワンランク上の新商品を発売。輸入ワインの強化で、ユーザーにより上質な飲用体験を提供する。

フランス名門のボルドーワインをメインブランドとして一本化

SWIは、DBRラフィットのボルドーワインを「ドメーヌ バロン ド ロートシルト サガR ボルドー」ブランドに一本化し、SWIボルドーワインのメインブランドとして新たに発売する。

DBRラフィットは、ボルドー地方のメドック格付け1級シャトー、ラフィットを取得した、ロスチャイルド(ロートシルト)家が設立。1868年からの伝統と格式を体現する品質の高いワインを生み出している。

同時にブランドパッケージのリニューアルも図り、DBRラフィットの伝統、格式を分かりやすく表すことで、上質なワインを求める層への訴求力を高める。

左から、「ドメーヌ バロン ド ロートシルト サガR ボルドー ルージュ」「同 ブラン」

ワンランク上の上質な「サンタ ゴールド」

「サンタ バイ サンタ カロリーナ」シリーズは、SWIとチリのサンタ カロリーナが日本人の味覚に合わせて共同開発したチリワインだ。ブランドシンボルの「チリアンライオン」をワイン売り場で見かけた方も多いのではないだろうか。

同シリーズのラインアップはデイリー価格帯(1本あたり600円未満)に属しているが、SWIは2022年3月15日、ワンランク上のスタンダード価格帯(600円以上1200円未満)から新商品を発売する。

左から、「サンタ ゴールド ディープ レッド ブレンド 2020」「同 ディープ シャルドネ 2021」

「サンタ ゴールド ディープ レッド ブレンド 2020」「同 ディープ シャルドネ 2021」は、ベースワインにアメリカンオークとフレンチオークの2種の樽板を漬け込む「ダブルオーク製法」で醸造している。そのため、濃厚で甘やかな味わいに仕上がっており、食事に合うのはもちろん、食後にも楽しめるという。

【サントリーワイン2022年事業方針説明会】
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