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印象的なスペードマークのボトルでおなじみの「アルマン・ド・ブリニャック」。「アルマンド」の通称で知られる、最高級のシャンパーニュ(シャンパン)の1つだ。
さまざまなコンテストで高い評価を受けており、そのゴージャスな見た目と相まって、世界中のセレブリティから圧倒的な人気を誇っている。
この記事では、そんなアルマンドの特徴からラインアップ、楽しみ方までを徹底解説する。
アルマンドはどんなシャンパーニュ?
アルマンドは、メタリックボトルが印象的なシャンパーニュ。ここでは、世界中のセレブに愛されるアルマンドの歴史や特徴、人気の理由について解説する。
4つの特徴
アルマンドにはさまざまな特徴があるが、まずは主な4つのポイントを紹介する。
マルチヴィンテージである
まず1つが、マルチヴィンテージのシャンパーニュであること。
マルチヴィンテージとは、複数年のぶどうをブレンドすることだ。通常、ワインはヴィンテージの価値が高いとされ、世界のワイン生産者の最高価格のワインもほぼヴィンテージものだ。しかし、アルマンドはヴィンテージにこだわらず、さまざまな年代のぶどうをブレンドすることで、独特の奥深い味わいに仕上げている。
ちなみに、世界中でマルチヴィンテージが最高価格という例は、世界に3つしかないほど珍しい。
21世紀に初出荷されている
アルマンドは、1763年創業のワイナリー、キャティアによってつくられている。そのボトルが最初に出荷されたのは2006年。このことから、「21世紀に初出荷された世界で唯一のシャンパーニュ」ともいわれている。
巨大ボトルが揃っている
アルマンドには、一般的なシャンパーニュではなかなか見られない、巨大サイズのボトルが揃っている。
シャンパーニュのボトルには、レギュラーサイズ(750ml)以上の巨大サイズが多数ある。小さいものから順に、マグナム(1500ml)、ジェロボアム(3000ml)、レオボアム(4500ml)、マチュザレム(6000ml)、サルマナザール(9000ml)、バルタザール(1万2000ml)、ナビュコドノゾール(1万5000ml)、サロモン(1万8000ml)、プリマ(2万7000ml)、そして最大サイズがメルキゼデック(3万ml・別名ミダス)といった具合だ。
アルマンドはこうした巨大サイズのボトルを揃えており、最大容量のボトルももちろんある。セレブのパーティー御用達シャンパーニュならではの特徴だろう。
オーナーがジェイZ
アルマンドのオーナーは、アメリカの超大物ラッパーであるジェイZ。グラミー賞を何度も受賞していて、シンガーソングライターのビヨンセの夫としても知られている。ジェイZは、2014年にブランドの株式を100%買収してオーナーとなっている。
アルマンドが人気となったきっかけとは?
アルマンドが人気となったきっかけの1つは、最初に誕生した「アルマン・ド・ブリニャック ブリュット・ゴールド」で名だたる賞を受賞したことだろう。「100 ベストシャンパーニュ 2010(100 Best Champagne For 2010)」や「世界ベストワインコンテスト(Best Wine of the World competition:BWW)2020」で世界一の栄誉に輝き、その名をとどろかせたのだ。
さらに、現在のオーナーでもあるジェイZが2006年に発表したミュージックビデオ『ショウ・ミー・ワット・ユー・ゴット』の中で取り上げたのも、人気を押し上げた理由の1つ。ボトルがおしゃれでゴージャスなシャンパーニュは、海外セレブの間で瞬く間に大人気となった。
現在は、アカデミー賞やゴールデングローブ賞の賞品に採用されている。アルマンドは今や、セレブパーティー御用達の1本として、世界中で愛飲されているのである。
アルマンドの種類
ボトルの色が豊富なところも、アルマンドの個性の1つ。そして、どの色かによって、特徴も異なる。ここでは全6種それぞれの味わいや特徴を解説していく。
ちなみに、全種類がアタッシュケースに入っているセットは「アルマンドアタッシュケース」と呼ばれ、オークションなどでも高値で取引されている。
アルマン・ド・ブリニャック ブリュット・ゴールド
シリーズを代表する1本であり、最初に誕生したアルマンドでもある。「100 ベスト シャンパーニュ2010」や「BWW 2020」で世界一の栄誉に輝いた。
ピノ・ノワールとシャルドネを40%ずつ、ピノ・ムニエを20%使用。フレンチオークで12カ月間熟成させるため、深みのある味わいとなっている。シトラスやベリー、アプリコットなどのアロマも存分に感じられ、口当たりが滑らかなのも特徴的だ。
参考小売価格:5万5000円(税込)
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アルマン・ド・ブリニャック・ロゼ
ゴールドに続いて、2008年に発売された2本目のアルマンド。
ピノ・ノワールを50%、シャルドネを10%、ピノ・ムニエを40%使用。ベリーやチェリー、スイートアーモンドのアロマが漂う、優しく上品な味わい。
参考小売価格:3万2320円(税込)
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アルマン・ド・ブリニャック グリーン マスターズエディション(グリーン)
アメリカのオーガスタ・ナショナルクラブで毎年開催されるゴルフ選手権「マスターズ・トーナメント」の、第75回大会時に記念としてつくられたアルマンド。以降、ボトルの生産番号1番が、同大会の優勝者に贈呈されるようになった。ボトルのグリーンは、優勝者に贈られるグリーンジャケットをイメージしてデザインされている。
中身はゴールドとほぼ同じだが、生産量が少ないため希少価値が高い1本でもある。
参考小売価格:4万7752円(税込)
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アルマン・ド・ブリニャック ドゥミ・セック(レッド)
2015年に発売されたもので、もともとはメゾンの訪問者しか試飲できなかった。
ピノ・ノワールとシャルドネを各40%、ピノ・ムニエを20%を使用し、地下セラーで6年間熟成させている。かんきつと蜂蜜のアロマで、華やかで果実味あふれる味わい。熟成期間の長さがもたらす、上品な甘みを楽しめる1本でもある。
参考小売価格:5万2800円(税込)
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アルマン・ド・ブリニャック ブラン・ド・ブラン(シルバー)
2008年に発売された、シャルドネだけのマルチヴィンテージ。コート・デ・ブラン地区とモンターニュ・ド・ランス地区のシャルドネを半量ずつブレンドし、フレンチオークで12カ月間熟成させている。
洋ナシとナッツ、スパイス、バターの焼き菓子のアロマで、南国フルーツを思わせる爽やかな味わい。すっきりとした辛口ながら、口当たりは柔らかい。また、余韻も非常に長い。
参考小売価格:7万4299円(税込)
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アルマン・ド・ブリニャック ブラン・ド・ノワール(ブラック)
数年に一度しか販売されない、希少価値の高い1本。近年では、2015年、2019年に発売されたのみだ。
2019年発売分の生産本数は3535本と、「ロマネ・コンティ」の半分。日本には120本しか入ってきていない。ボトルにはナンバリングが施され、デゴルジュマン(澱抜き)の日付も入っている。ピノ・ノワールを100%使用し、6年間地下セラーで熟成させている。アプリコットやベリー、チョコレートなどの複雑なアロマと、繊細な風味が特徴。
参考小売価格:63万8000円(税込)
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トゲマンド
迫力満点の見た目で、SNSでも話題になった1本。公式の商品ではなく、カスタムされたボトルのことだ。手作業でトゲトゲのスタッズが付けられていて、一種のインテリアのような1本。
参考小売価格:6万4897円(税込)
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アルマンド信号機
アルマンドのゴールド、ロゼ、グリーンのボトルを並べると信号機のようになることから、高級クラブなどで「アルマンド信号機」と呼ばれるように。ネットなどでは3本セットで販売されていることもあるが、高級クラブで3本開けると50万円前後するとか。
参考小売価格:15万5375円(税込)
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アルマンドを最高の状態で楽しむ方法
高級シャンパーニュのアルマンドをせっかく味わうなら、最高の状態で飲みたいもの。そこで、アルマンドのおいしい飲み方をご紹介しよう。
まず、購入後はしばらく寝かせておくこと。その後、甘口なら4℃前後、辛口なら6~8℃の最適温度に冷やす。冷やす時間は、冷蔵庫なら3~4時間、シャンパンクーラーなら25~30分を目安にすると良いだろう。
実際に飲む時は、アルマンドにふさわしいグラスを使用してほしい。泡を楽しむならフルート型、香りを楽しむならチューリップ型をチョイスするとよりおいしく味わえるだろう。
アルマンドで特別な日を華やかに彩ろう
アルマンドは、華やかさはもちろん実力も兼ね備えた高級シャンパーニュ。少し値段は張るが、パーティーや記念日など、特別な日に味わってみてはいかがだろうか。そのゴージャスな風貌と味わいで、大切な1日を存分に演出してくれるだろう。