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2022年4月、アジア最大級のワインコンペティション「サクラアワード(“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards)」の受賞ワインが発表された。
同月4日に東京会場(東京都目黒区・ホテル雅叙園東京)、同月16日に大阪会場(大阪府大阪市・ホテル日航大阪)で開催された審査会では、延べ430人の審査員が審査を実施。同月28日には、全ての受賞ワインが発表された。
2022年の受賞結果は?
9回目となった今回の大会では、25カ国から4652アイテムがエントリー。その中から、 286アイテムがダブルゴールド、1425アイテムがゴールド、614アイテムがシルバーに選ばれ、計2325アイテムが受賞した。
さらに、ダブルゴールド受賞ワインの中から、より優れたものを選ぶダイヤモンドトロフィーの栄誉には、60アイテムが輝いた。
ゴールド以上を受賞したワインから選ばれる特別賞では、女性ワインメーカー賞をはじめとする8つの特別賞と9つの和食・アジア料理に合うワイン賞で、各10アイテムずつを選出。各賞で最高得点のワインには、グランプリの称号が与えられた。
3年ぶりに授賞式も開催! 「サクラアワード」とは
「サクラアワード」は、女性審査員によるワインコンペティションで、2014年から開催されている。
「日本の家庭料理に合うワインを探す」「ワインの消費拡大」「ワイン業界で働く女性の活躍を促す」という3つの目標を掲げ、女性が審査する国際的なワインコンペティションとして、国内外で注目されている。
審査責任者は、ワインアンドワインカルチャー代表取締役の田辺由美氏。その他に、ソムリエやワイン醸造家、ワインスクール講師、ワイン業界の関係者など、日本のワイン業界で活躍する女性が審査員を務める。
審査方法は、ワイン名や生産国などを伏せたブラインドテイスティングにより、点数(100点満点)で評価。この点数により、ダブルゴールド(93~100点)、ゴールド(88~92点)、シルバー(83~87点)の各受賞ワインが選出される。
なお、第9回大会では、2022年5月30日に東京会場で授賞式を開催。ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の影響で開催を控えていたが、3年ぶりとなる授賞式も行われた。
ダイヤモンドトロフィー受賞ワイン
ダブルゴールドの中から、より優れたワインに贈られる最高賞。獲得できるのはエントリー数のわずか1%で、非常に狭き門だ。
2022年にダイヤモンドトロフィーを受賞した60本の中から、いくつか紹介しよう。
アルベール・ビショー ブルゴーニュ シャルドネ ヴィエイユ・ヴィーニュ2016
フランスのアルベール・ビショーは、“美食の都”と称されるコート・ド・ボーヌ地区に本拠地を置く。日本では、ボージョレ・ヌーボーのつくり手として有名だ。
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受賞ワインは、樹齢25~35年のぶどうを使用し、複雑なアロマを特徴とする。白い花の香りに、かんきつや蜂蜜、ドライフルーツのニュアンスを持つ。はつらつさとした印象とまろやかさが融合した辛口の白ワインだ。
サンタ ゴールド ディープ シャルドネ2021
サントリーワインインターナショナルと、チリのサンタ・カロリーナが日本人の味覚に合わせて共同開発した、日本限定のブランド「サンタ バイ サンタ カロリーナ」。
「サンタ ゴールド」は、“ワンランク上”のスタンダード価格帯のシリーズとして、2022年3月に発売されたばかり。1200円未満の手頃な価格ながら、本格的な味わいを楽しめる。
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受賞した「サンタ ゴールド ディープ シャルドネ」は、コクのある濃厚な味わいの白ワイン。アメリカンオークとフレンチオークの樽板をベースワインに漬け込むダブルオーク製法を採用しており、バニラのような芳醇な香りと滑らかな口当たりを楽しめる。
女性ワインメーカー賞受賞ワイン
ダイヤモンドトロフィーを獲得したワインの中には、特別賞の女性ワインメーカー賞をダブル受賞しているものもある。
女性ワインメーカー賞とは、女性醸造家が手掛けたワインで、ゴールド獲得以上のアイテムが対象となる。10アイテムが選出され、その中で最も得点が高いワインを手掛けた醸造家にグランプリが贈られる。
ジャン・クロード・ボワセ ブルゴーニュ ピノ・ノワール レ・ジュルシュリンヌ2020
今回、ダイヤモンドトロフィーに加えて、女性ワインメーカー賞のグランプリに選ばれたのは、フランス・ブルゴーニュ最大のワイングループ、ジャン・クロード・ボワセのロール・ギヨトー氏だ。
受賞ワインは、ガーネット色が美しい辛口の赤ワインで、熟したチェリーの香りと滑らかなタンニン、程よい酸味を特徴とする。
2019 スミス&フック プロプライアタリー・レッド・ワイン・ブレンド セントラル・コースト
他に、ダイヤモンドトロフィーと女性ワインメーカー賞をダブル受賞したのは、アメリカ・カリフォルニアのワイナリー、ハーン・ファミリー・ワインズのミーガン・マッカロー氏。
受賞ワインは、前回の2021はダブルゴールド、2020年はシルバー、2019年はゴールドと、連続で受賞している。
メルローやマルベックをブレンドしたフルボディの赤ワインで、黒い果実と香ばしいオーク樽、バニラの香りが感じられる1本。
“グランプリ”ジャパニーズワイン賞受賞ワイン
日本で醸造し、瓶詰めされた日本ワインに贈られる特別賞がある。それが、“グランプリ”ジャパニーズワイン賞だ。
今回、同賞に輝いたのは以下の4本。北海道、長野、山梨、岡山と、4県のワインが揃った。これらは全て、ダブルゴールドも同時受賞している実力派だ。
マンズワイン 酵母の泡 甲州SEC
山梨県産の甲州種を使用し、耐圧タンク内で二次発酵させたスパークリングワイン。酵母が生み出すきめ細かい泡とうま味、甲州種特有の上品な香りを楽しめる。飲み飽きない優しい口当たりが、料理の味を引き立ててくれる。
価格は2000円未満とコストパフォーマンスにも優れ、同じく特別賞のコストパフォーマンス賞、”グランプリ”いつも飲みたいスパークリングワイン賞にも選ばれている。
さっぽろワイン ソーヴィニオン・ブラン
北海道石狩市にある、自社ぶどう園で収穫したものを100%使用している。畑は海から程近い砂地主体の土壌のため、風が強く、水はけがいい環境だ。そのため湿気や病害に悩まされることなく、健全に育ったぶどうを手摘みで収穫している。
爽やかなグレープフルーツや蜂蜜、完熟リンゴなどのニュアンスを持ち、程よい酸味とフレッシュ感のある味わいを特徴とする。
楠わいなりー マスカットベイリーA 2018
樽熟成と瓶熟成による複雑な香りを特徴とし、マスカット・ベーリーA特有のキャンディ香は抑えめにしている。渋みや酸味も控えめで、だしやしょうゆを使用した料理や根菜にも合う。
家庭の食卓で親しみやすいワインかどうか、という基準も重要視しているサクラアワード。和食にも合う飲みやすさから、納得の受賞となった。
ひるぜんワイン 岡山ピオーネ
岡山県産のピオーネを100%使用。ぶどうを凍らせてから搾汁し、ゆっくりとうま味を抽出した甘口のワインだ。果実そのものを頬張ったような豊かな風味と甘さで、普段はワインを口にしない人でも飲みやすい。
特別賞のタイ料理に合うワイン賞、デザートワイン賞も受賞しており、ダブルゴールドと“グランプリ”ジャパニーズワイン賞と合わせて4冠という功績を残した。
受賞ワインを味わえるBtoBの試飲会を初開催
受賞ワインは、サクラアワードの活動に対して理解があり、そのワインをワインリストに入れているサポートレストランで味わうことが可能だ。また、受賞ワインの販売拡大に協力している販売協力店(全国のデパート、スーパーマーケット、ワインショップ、ネットショップ)でも購入できる。
さらに今年は、サクラアワード初となる試飲会も実施される。参加できるのは、酒販店や卸、ホテル、レストラン、メーカー、インポーターなど、酒類業界従事者に限られるため、一般の人は入れないが、さらに多くの受賞ワインがレストランや販売店などに広がるチャンスでもある。来年行われる「サクラアワード2023」の説明会と兼ねて、2022年7月15日に東京会場で実施する予定だ。
これらの取り組みもあり、今後は受賞ワインと出会う機会も増えるかもしれない。受賞ワインは、受賞メダルのロゴステッカーが貼ってあるため、売り場でも目を引く。レストランで味わうのはもちろん、家飲みにもぴったりなワインとしても選出されているので、機会があればぜひ購入してみてほしい。