フランス貿易投資庁-ビジネスフランスは2022年10月5日、東京都港区のレストラン「ひらまつレゼルヴ西麻布」を会場に、「シャンパーニュ マスタークラス&テイスティング」を開催した。
午前の部では、オー・ド・フランス(Hauts de France)地域にある6社のシャンパーニュ生産者を招いたマスタークラスを開催。午後の部では、日本未輸入品を中心とした試飲商談会が行われた。
その試飲商談会に参加した生産者の中から、今回はメテイエ・ペール・エ・フィス(Météyer Père et Fils)について紹介する。
メテイエ・ペール・エ・フィスとは
メテイエ・ペール・エ・フィスは、1860年に設立された独立系のワイン生産者だ。現在は、5代目に当たるフランク・メテイエール氏が当主を務める。
マルヌ渓谷の中心部に位置し、ぶどう畑は南斜面に広がっている。持続可能なぶどう栽培に取り組んでおり、フランス農業・食料省による環境認証HVE(Haute Valeur Environnementale、環境価値重視)を取得している。
品質を重視し、厳選したぶどうから採れる一番搾汁のみを使用する。マロラクティック発酵(乳酸菌の働きにより、リンゴ酸を乳酸と炭素ガスに分解させる)を行わず、エナメル・スチール・タンクで醸造。白とロゼのシャンパーニュを生産している。
試飲商談会では、現当主のフランク氏と共にメゾンを営む、妻のアンナ・メテイエール氏に話をうかがった。
個性を引き出すワインづくり
――メゾンとシャンパーニュづくりの特徴を教えてください。
ワインの生産者として初めて、ユネスコの「Pierre Cheval de l’Embellissement」(※)を受賞した、歴史と伝統あるメゾンです。
シャンパーニュは、あえてマロラクティック発酵を行わずにつくっています。そうすることで、それぞれのワインが持つ個性をより引き出すことができるのです。
※2015年に「シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴ」が世界遺産に認定された後、2017年に設けられた賞。景観を保護するなど、功績のあったシャンパーニュの関係者に授与される。世界遺産登録に尽力し、2016年に亡くなったピエール・シュヴァル氏の名を冠している。
――おすすめのシャンパーニュは?
1つ目は、「プレステージ」。フランスのマクロン大統領にも愛飲されています。歴史あるシャンパーニュメーカーの伝統を守ろうと、大統領官邸のエリゼ宮でも積極的に供してくださっています。
2つ目は、「マリーン」。イギリスで開催される「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(International Wine Challenge:IWC)」「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards:DWWA)」など、国際的なワインコンクールで数々の受賞をしています。
21世紀になったときに何か新しい試みをしようと、それまでの伝統製法ではなく新しい製法でつくり、ボトルもブルーへと変更しました。
ボトルの色は、海をイメージしたものです。魚介類など海の幸に合う味わいなので、ぴったりの色だと思います。日本は海に囲まれた島国なので、ブルーの色合いの印象があり、今回紹介したいと思いました。
私が一番好きなシャンパーニュでもあり、今後日本の皆さんにも広く親しんでいただければと思います。
「プレステージ」
タイプ:白、ブリュット
ぶどう品種:シャルドネ60%、ピノ・ノワール40%
「マリーン」
タイプ:白、ブリュット
ぶどう品種:シャルドネ50%、ムニエ25%、ピノ・ノワール25%
【シャンパーニュ試飲商談会レポ】
①オー・ド・フランス地域のシャンパーニュが集結!