コラム

南アルプスの多彩なテロワールを反映した新しい甲州ワイン――サントリー日本ワイン試飲会③

サントリーは2024年9月4日、同社田町オフィス11階のカフェ「HARBOR」(東京都港区)にて、新商品を含む日本ワインの試飲会を開催した。

試飲会では、同社ワイン本部日本ワイン部長の宮下弘至氏、ワイン本部シニアスペシャリストの柳原亮氏が登壇し、産地の異なる甲州ワインの解説とともに、これまでの甲州栽培の取り組みや挑戦について話があった。

第3回となる本記事では、標高差や気温差から多彩なぶどうを育む山梨県南アルプス市の広大なぶどう畑と、そこで生まれた「SUNTORY FROM FARM ワインのみらい 南アルプス 甲州 風立つ畑育ち 2023」を紹介する。

山梨県内の4つの甲州産地

サントリーは山梨県内の4つのエリアで甲州を栽培している。北西部にある涼しい穂坂エリア、標高が低い盆地にある甲府エリア、日当たりの良い東側の勝沼エリア、そして今回紹介する南アルプスエリアだ。

温暖化が甲州ぶどうの可能性を広げた

地球温暖化の影響で、甲州ぶどうはそれまでの産地に加え、より涼しいエリアでも栽培されるようになった。穂坂や南アルプスなど西部にある圃場は西に位置する赤石山脈(南アルプス)が西日を遮るため、急速に夜間の温度が低下する。このような気候は、酢っぱさを和らげるなど、甲州に良い影響をもたらした。

南アルプスエリアの同社の畑は約10haの広大な扇状地で、甲州の1枚畑では国内最大規模となる。その広さから、区画によって100mの標高差があったり気温に差があったりと多彩なテロワールでぶどうが育っている。

SUNTORY FROM FARM ワインのみらい 南アルプス 甲州 風立つ畑育ち 2023

2024年9月10日に発売された同ワインは、2023年が初ヴィンテージとなる(一部は一般販売されるが、基本的には登美の丘ワイナリーや同社オンラインショップでの数量限定販売)。

かんきつや青リンゴなどフルーツの香りとスパイスのニュアンス、しっかりした酸とコクが魅力のワインだ。

◆SUNTORY FROM FARM ワインのみらい 南アルプス 甲州 風立つ畑育ち 2023
色、タイプ:白、辛口
産地:山梨県(南アルプス市)
ぶどう品種:甲州100%
参考価格:4950円(税込)

次回の記事では、登美の丘ワイナリーと、同園産のぶどうを100%使用した「SUNTORY FROM FARM 登美の丘 甲州 2022」を紹介する。


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