コラム

フレッシュ、アタック、タンニン――ワインの特徴を表現する言葉たち[外観・味わい編]

   

「このワインはおいしい!」と感動する瞬間は、何物にも変え難い。でも、その感動を一体どんな風においしいと表現すればいいのだろう。ワインの味わいを人に説明するとき、言葉に迷ったことはないだろうか。

ワイン好きなら「ドライ」「さっぱり」「甘い」「パワフル」「渋い」こんな表現は耳慣れたものだと思う。でも、ワインの個性や魅力を伝えるには、この言葉たちだけでは不十分だと感じる人もいるのでは。

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これからご紹介する表現たちは、使いやすく、相手も味をイメージしやすい優れものの言葉たちだ。覚えておいたら今後、より的確にワインのおいしさを伝えられるようになるかもしれない。

今回は入門編の「外観・味わい編」だ。次回の上級者向け「香り編」との2回に分けて、使いやすい表現を紹介してみよう。

ワインの外観、どう表現したらいい?

色調

ワインの色味や視覚から得られる情報をまとめて「外観」と言う。

色調については主に、白ワインなら「琥珀」「黄金」「緑がかった」など、赤ワインなら「ルビー」「ガーネット」といった言葉がよく使われる。同時に明るさ、濃さや透明度も語られることが多い。

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フチ

グラスを傾けて、グラス内部のワインとグラスの肌との接点=フチをよく見てみてよう。

同一色に見えるワインの液体だが、すべてが一色ではない。例えば熟成を重ねたワインには、赤白共に茶色かかったフチを確認することができる。

ツヤ・輝き

ワインのツヤを観察していくと、きらめきの多いワインと、そうではないワインがあることに気が付くだろう。

基本的においしいものほど色ツヤに優れていると言われるが、同時にツヤの少ないワインは、アタックの少ない穏やかな味わいのものとも言える。

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ワインの味わいを伝える言葉たち

さて、ここからは味わいの表現だ。

ワインのさまざまな印象が絡み合う味わいを説明するには、「いちごのような」といった味の講評だけではよく分からない。「アタック」「味」「厚み」「タンニン」「余韻」と時間軸に沿って言葉を並べていくとベストだろう。

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アタック

口に含んだときのインパクトを「アタック」という言葉で表現する。「強い」「弱い」で表現されることが多いが、「なめらか」「優しい」などもOKだ。

ワインの味や酸味は、よく果実に例えられる。さらに「フレッシュな」「はつらつとした」「ぼやけた」「エレガントな」といった形容詞を加えることが多い。どれを使うかはあなたの自由だ。多くの言葉を駆使して味のイメージを語ってみよう。

厚み

ボディのボリューム感を表す。「平たい」「軽やか」「薄っぺらい」から、「重厚な」「しっかりとした」「骨格のある」といった言葉まで、実にさまざまな表現が使われる。

タンニン

ワインを好きな方ならばタンニンについて聞いたことはあるかと思う。黒ぶどうの皮がもたらす収斂性のことだ。
舌がキュッとしたりざらついたりして、ワインを「渋い」と感じさせる要素がタンニンだ。タンニンを表すときには「しっかりとした」あるいは「滑らかな」といった表現が多い。

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余韻

心地のよい余韻は、良質なワインの証。この余韻とともに料理やチーズを味わい、マリアージュさせてみよう。味気のない安いだけのワインは、余韻が2秒ともたないものだ。

使えそうな表現は見つかっただろうか?

次回は、より複雑で楽しい「香り」を楽しむための言葉をご紹介しようと思う。お楽しみに!

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身