ワイン大国・フランスを代表する銘醸地であるボルドーとブルゴーニュ。そのうちブルゴーニュの名門ワイナリーを取り上げていく本シリーズ、今回は酒神バッカスをあしらったクラシカルなラベルで知られるルイ・ジャドをご紹介したい。
もともとはぶどう農家だったルイ・ジャドは、畑の特徴を生かして伝統的手法によって丁寧にワインを醸造する。100種類とも言われるワインそれぞれに同等の重みを置き、すべての銘柄に全力を注ぎ続けるのがルイ・ジャドのスタイルだ。
ルイ・ジャドの歴史
ぶどう農家からドメーヌへ
ルイ・ジャドは1859年、ルイ・アンリ・ドゥニ・ジャド氏により設立された。
以前から由緒あるぶどう農家だったジャド家だが、ドメーヌ設立以前より良質な畑を次々と獲得。現在では210haという広大な土地を持ち、所有する畑はほとんどがグラン・クリュ(特級畑)かプルミエ・クリュ(1級畑)だ。
また自社畑から採れるぶどう以外に、契約農家のぶどうを使ったワイン醸造も手掛けており、ネゴシアンとしても活動している。
ルイ・ジャドのワインづくり
テロワールを知り、生かす
「ぶどう畑はわれわれの持ち物ではありません。われわれはただ、世話をしているだけです」
ルイ・ジャドのこの言葉が、同社のワインづくりに対する姿勢をよく表している。
テロワールの多様性を尊重し、それをワインという形で表現することを最優先。20年以上前から化学肥料や農薬の使用を禁止している。
また、ボーヌの周辺にある一部の畑ではビオディナミ農法を採用。今後、ビオディナミを他の畑に導入することも検討しているようだ。
伝統的手法にこだわり
一方、醸造方法についても限りなく伝統的手法に近づけ、手間と時間のかかる「自然なプロセス」での醸造を心掛けている。
同時に熟成に使う樽のクオリティを重視。樽の製造を手掛ける別会社もある。
すべてのワインを同等に
酒神バッカスの描かれた印象深いラベルは、ルイ・ジャドのトレードマークだ。ルイ・ジャドのワインには、シンプルなものからグラン・クリュのぶどうを使った高級ワインまで、同じデザインのラベルが使われることで知られている。
この方針には、「全てのブルゴーニュワインは素晴らしいものであり、同等に尊い」というルイ・ジャドの姿勢が表れている。
ルイ・ジャドのおすすめワイン
・ニュイ・サン・ジョルジュ
・コルトン“クロ・デュ・ロワ”
・シャトー・デ・ジャック ムーラン・ナ・ヴァン
・シャンボール・ミュジニイ レ・シャルム
・ポマール
・ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ プティ・シャンベルタン
・シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ