地元でとれた素材を生かしてお酒をつくりたい――。そんな思いから生まれたフルーツワインが、今年も新酒の仕込みを開始したという。兵庫県の発酵食品会社トキワは2016年9月26日、二十世紀ナシを使ったワイン「梨の酒」「梨のスパークリングワイン」の製造を開始した。およそ約20トンものナシがワイン用に仕込まれ、2017年1月半ばころには出荷される予定だという。
兵庫県香美町は、二十世紀ナシを特産品の1つとしている。1929年に栽培が始まり、現在では県内でもトップクラスの生産量を誇る。その二十世紀ナシを使ってお酒をつくれないか、という発想から生み出されたのが「梨のワイン」だ。同社では、1980年に醸造免許を取得し、試行錯誤を繰り返しながら、1985年に製造免許を取得したという。
同社が手掛ける梨ワインは、新鮮な梨から果汁を搾り、10℃以下の低温で25日ほどかけてじっくりと発酵させる。出来上がったワインは、ナシのみずみずしさや爽やかな甘さはそのままに、飲みやすいフルーツワインに仕上がるという。炭酸ガスが入った「梨のスパークリングワイン」は、2010年の「モンドセレクション」で銅賞を受賞するなど、その評価が徐々に高まってきている。
<関連リンク>
二十世紀ナシをワインに 香住の会社で仕込み