大和書房は2021年8月18日、宮嶋勲著『ワインの嘘』を発売した。「ワインは理屈抜きで自由に楽しめるものではないか」という考えのもとに書かれたワイン指南書で、自分だけの楽しみ方が分かる1冊だ。
本書を手掛ける宮嶋氏は、イタリア・ローマの新聞社に勤務した経験を持つジャーナリスト。1年の3分の1ほどをイタリアで過ごし、ワインと食についての執筆活動を行っている。
イタリアにおいてワインは、日常に溶け込んだ庶民的な飲み物であり、食事の一部という位置付けだ。そのため、食事に寄り添い、食事をおいしく感じさせてくれれば十分と考える人がほとんどだという。しかし日本では、「楽しむには知識がいる」といった誤解が幅を利かせており、「ワインに関するやマナーが招く最大の弊害は、ワインを心おきなく楽しめなくなることである」と、著者は主張する。
そのため本書では、ワインの理屈やうんちくを抜きにして、好きなようにワインを楽しむための方法を説く。第1章では「ワインに教養はいらない」ことを説き、第2章で「自分だけの楽しみ方を見つける」方法を説明する。
最後に「幸せな時間を与えてくれるものこそ、最高のワイン」と位置付けているように、知識や教養を求められる不毛な“ワイン信仰”を捨てて、好きなようにワインを楽しむよう提案している。
全256ぺージで、定価は1760円(税込)。本書を読めば、「際立った香りや味わいを持つわけではないが、どんな料理にも合い、飲み飽きしないワイン」を見つけることができるかもしれない。