「このワイン、おいしいよね」。それがきっと一番の褒め言葉だとは思う。だが「おいしい」だけでは、そのワインがどんな味わいなのか、残念ながら全く想像がつかない。
「おいしい」と感じたワインの味、どのように表現すればいいのだろうか。実はワインの味の表現は、千差万別のように思えて、いくつかの軸でまとめることができる。
このコラムでは、ワイン情報サイト『Wine Folly』の「4 Wine Styles To Rule Them All, Which one fits you?(ワインはすべて4つのスタイルに分けられる。あなたにフィットするのはどれ?)」という記事を参考にしつつ、赤ワインに使われる英語表現を紹介しながら、味のおおまかな分類について解説を加えていきたい。
赤ワインの味、大きく2軸・4語で表現できる
赤ワインの味を英語で表現するとき、「『エレガント』か『ボールド』か」「『セイヴォリー』か『フルーティー』か」という2つの軸、4つの言葉を用いて表現するのが基本となる。
それぞれ「エレガント=優雅な」「ボールド=力強い、厚みのある」「セイヴォリー=香ばしさのある」「フルーティー=果実味にあふれた」という意味だ。
強さを表す表現として、エレガントの対極にボールドがある。果実感を表す表現として、フルーティーの対極にセイヴォリーがあると覚えたい。
また、この言葉を組み合わせた表現もされる。「エレガント+フルーティー(優雅で果実感が強い)」「ボールド+セイヴォリー(厚みがあり香ばしい)」といったところだ。
それぞれの軸を代表するぶどう
では、こうした軸・言葉を踏まえて、どんなワインをどう表現するのが適切か、説明していこう。
ピノ・ノワールを使ったワインは「エレガント」と表現するのが適切だろう。対照的にカベルネ・ソーヴィニヨンのワインは「ボールド」と言うべきだ。
「フルーティー」を代表するのは、ジンファンデルやメルローなど。「エレガント+フルーティー」には、グルナッシュやカリニャンなどが該当する。「ボールド+フルーティー」に入るのは、フランス以外で育ったシラーやマルベックといったところだ。
「セイヴォリー」には、フランスのシラーやバローロに使われるネッビオーロなどが挙げられる。「エレガント+セイヴォリー」はブルゴーニュのピノ・ノワールやガメイ、「ボールド+セイヴォリー」にはキャンティのサンジョヴェーゼやリオハのテンプラニーリョなどが該当する。
ニュアンスを加える表現も
「おいしい」と感じたときには、「エレガント=優雅な」「ボールド=力強い、厚みのある」「セイヴォリー=香ばしさのある」「フルーティー=果実味にあふれた」といった、これらの基本的な言葉をまず使ってみてほしい。
基本を押さえたら、より詳しいニュアンスを表す言葉も使ってみよう。例えば、「ミネラリー(ミネラル感の強い)」「スパイシー」「ナッティ(ナッツのような)」「ミートライク(肉のような)」といった表現だ。
もっと大まかに、タンニンの強さを表現するため「ハード」「ソフト」といった言葉や、酸味を表す表現を使うこともある。
何となく、「おいしい」と感じたワインの味をどう表現すればいいか、イメージできただろうか?
自分の好きなタイプのワインを探していくのに、こういった表現を知っておくと、お店などで注文する際に間違いがない。あなたがワインの知識を深めていくのに、有力な手助けとなっていくだろう。