コラム

あなたはどのタイプ? 今日のワインは“ヴィノタイプ”で決めよう――「肉には赤。魚には白」より大事なことがあると米大学が提言

   

「肉なら赤ワイン、魚介類なら白ワイン」といった昔からのお約束でワインを選ぶより、もっと食事する当人の好みを重視した方がいい――。このように提言する研究成果を、米ミシガン州立大学の研究チームが2017年11月に発表した。

この研究は、世界中に350人ほどしか取得していない「マスター・オブ・ワイン(MW)」の資格を持つティム・ハンニ氏が提唱する“ヴィノタイプ”理論を、科学的に検証しようと試みたものだ。

「ローストビーフにはカベルネ・ソーヴィニヨンをあわせよう」と勧めるだろうが、その人が力強いワインを嫌いだったら、どう思うだろうか。それよりも、その人の好きなリースリングを勧めるべきだろう――同研究チームのカール・ボルクグレヴィンク准教授はそのように語る。

「味覚の基準は、『この料理にはこのワインをあわせるべきだ』という誰かの意見で決まるものではない。『このワインを飲みなさい』と強制するべきではなく、『何が好きですか?』と尋ねるべきだ」(ボルクグレヴィンク准教授)

あなたはどのタイプ? ワインの好みを4つに分類する“ヴィノタイプ”理論

ハンニMWによると、私たちのワインの好みは、遺伝と環境の影響によって次に挙げる4つの“ヴィノタイプ”のいずれかに決まってくるという。

甘党(SWEET)

サングリア、白のジンファンデル、ドイツ産のリースリングなどのワインが好き。知覚が鋭敏で選り好みが激しい傾向がある。繊細な味わいのワイン、アルコール度数が低いワイン、リッチで滑らかな赤ワインなどを好む。甘党には女性が多く、男性30%に対して女性は70%を占める。

超敏感(HYPERSENSITIVE)

甘党と同様に知覚が鋭敏で選り好みするタイプ。いろいろと新しいワインを試してみようとは考えるものの、好みが非常にハッキリしている。
他人が設定したテレビの音量をうるさく感じ、エアコンの温度設定が適切だと感じたことはほとんどない。紅茶党で、1人でできるスポーツを好むが、チームスポーツをするときはチームのキャプテンを任されることが多い。

敏感(SENSITIVE)

味覚や嗅覚は平均的。さまざまなタイプのワインを楽しめる。自由奔放な性格で、職場や家庭では司会や調整役を務めることが多い。重要な意思決定をするのが苦手。

寛容(TOLERANT)

意思決定が早く、思考が単純。周囲から「テレビの音がうるさい」「エアコンが効き過ぎている」と苦情を言われるタイプ。リッチでとても強い香りのする白ワインや、フルボディの赤ワインを好む傾向がある。


あなたがどの“ヴィノタイプ”なのかは、こちらのサイト(英語)でチェックすることができる。

ついA/B/O/ABの4タイプに分類される血液型診断を思い浮かべてしまうが、8つの選択肢の中から「好きなもの」「嫌いなもの」をすべて選ぶ、という設問を3回繰り返せば自分の“ヴィノタイプ”が分かる仕組みだ。例えば、ソーダのような甘い飲料や塩味の効いた食べ物が好きなら、甘党(SWEET)に当てはまるという。


研究チームは今回の研究で、食べ物や飲み物の好み、消費パターンを調査。食べ物とワインを提供して点数付けしてもらった。

調査の結果、ハンニMWの“ヴィノタイプ”理論には一理あり、消費パターンや味の好みが分かればワインの好みも予測できると結論付けた。

この結果を受けて研究チームは、レストランやワイン専門店はスタッフに“ヴィノタイプ”理論を教え、来店客の“ヴィノタイプ”を把握できる接客を心掛けた方がいいとしている。

研究チームは今後、“ヴィノタイプ”理論が本当に正しいものか、調査規模を拡大して調べていく考えだ。アメリカ、香港、フランスなどのパートナーと調査を進める計画があるという。

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