コラム

海外の“ロゼ”ブーム、日本にも来る? 春~初夏にかけて注目したいロゼワイン

   

大雪に見舞われた冬を越え、ようやく春めいた気候になってきた。季節の変わり目を迎えると、さまざまな新商品が店頭を飾るようになってくる。2018年春、ワイン業界にはどんな新商品やトレンドがやってくるのだろうか。

ワインバザール編集部は2018年2月20日に開催されたメルシャンの「春夏の試飲商談会」を取材。同イベントで注目を集めた「ロゼ」「オーガニック」という2つのトピックスについて取り上げていきたい。

アメリカなど、海外で急成長中のロゼワイン

今回取り上げるのは「ロゼ」だ。桜が見頃を迎えるこれからの季節、試飲商談会では「春色ワインフェア」というテーマで、多彩なロゼワインを紹介していた。

まだワインと言えば、「“赤”か“白”か」で考える人が多いと思うが、近い将来、“ロゼ”も赤や白に並ぶ選択肢になってくるかもしれない。

実際、海外のデータにはなるが、Wine Market Councilのプレスリリースによると、アメリカで飲まれているテーブルワインのうち、ロゼが占める割合はわずか1.5%。しかし、2017年6月17日までの52週で57%も売上が伸びたという(Nielsen調査)。

ロゼはバラエティ豊富、合わせる料理を選ばない

メルシャンも近年、ロゼの魅力を日本でも伝えようと注力している。

首都圏営業部長の辻浩志氏によると、「ロゼは非常に味のバラエティがあります。赤ワインや白ワインを選ぶと組み合わせるのに適した料理が限られてしまいますが、ロゼワインなら、いろんな食材、いろんな調理、いろんなコース、どんな料理にも合わせやすい」ところが、ロゼの魅力の1つだという。「いろんなものを頼んで、食べて飲む居酒屋など、特にロゼを楽しむのに向いているのではないでしょうか」(辻氏)

特に、春~初夏はロゼワインに適した季節だ。桜とロゼワインの色合いが似ているのもあるが、「海外では夏場に赤ワインを飲むのを避けて、キリッと冷やしたロゼワインを楽しむ習慣が定着してきています」と辻氏は説明してくれた。

日本でも、ロゼワインが少しずつ広がってきている手応えがあるという。

「ロゼワインは見た目が華やか。ここ数年、InstagramなどのSNSにロゼワインの写真が投稿されて、目に触れる機会が増えてきているようです。
ロゼワインの味わいも、軽いもの、ドライなものなど、幅広く手に入れられるようになってきました。飲み口もいいので、泡を中心に少し広がってきている実感があります」(辻氏)

今春おすすめのロゼワイン

試飲商談会の会場では、次のようなロゼワインが紹介されていた。

シャトー・メルシャン アンサンブル ももいろ

メルシャンが手掛ける日本ワインのロゼ。キメ細やかで滑らかなタンニンとしっかりとしたボディのメルローを主体に、滑らかなテクスチャーと華やかな香りのマスカット・ベーリーAなどをバランスよくブレンドした辛口ロゼワインだ。日本国内で収穫したさまざまな産地のぶどうをアッサンブラージュすることで生み出された味わいの「調和(アンサンブル)」が楽しめる。

コドーニュ バルセロナ・エディション・ロゼ

スペイン王室御用達のコドーニュがつくる色鮮やかな辛口ロゼスパークリングワイン。スペインの伝統品種であるモナストレル、ガルナッチャ、トレパットを使用し、フレッシュでフルーティーな味わい。イチゴやシトラス、わずかにトースト香を口中で感じられ、澄んだ酸がすっきりとした後味を演出してくれる。

アックエジー ピエモンテ スプマンテ ブリュット・ロゼ

イタリア・ピエモンテ州アックイ近郊でワインをつくるアックエジーは、品種と産地の個性を生かし、フレッシュでフルーティーな味わいを大切にしたワインのつくり手として知られている。
ベリー系の果実味が心地よく広がり、酸味と果実味のバランスに優れたスパークリングワイン。目を引くボトルデザインで、ピエモンテ在住のアーティストが描いたアールヌーヴォー調の花の絵と、温泉地として知られるアックイにある源泉のモニュメントがあしらわれている。

カッシェロ・デル・ディアブロ ロゼ

チリのセントラル・ヴァレ-で採れたシラーズ主体の辛口ロゼワイン。フレッシュで繊細なブラックベリーやラズベリーの香りにチェリーのようなわずかなニュアンスが感じられる。
ワインがあまりにおいしいことから盗み飲みが絶えず、困った創立者のドン・メルチョー氏が「この蔵には悪魔が棲んでいる」と噂を流してワインを守ったことから、「カッシェロ・デル・ディアブロ(悪魔の蔵)」という名を持つようになった。

これらのロゼワイン、これから飲食店やスーパー/酒販店などで見掛ける機会が増えると思う。またメルシャンは3月13日~4月14日まで、コンセプトショップ「Château Mercian Tokyo Guest Bar(シャトー・メルシャン トーキョー・ゲスト・バル)」(東京都港区六本木)において、旬の食材を使ったオリジナルメニューとロゼワインとのマリアージュを楽しめる「春色ロゼワインフェア」を開催している。

気になるロゼワインがあったら、この春、1度は試してみてはいかがだろうか。

<関連リンク>
Wine Market Council’s 2017 Rosé Wine Consumer Survey Unveils Motivations and Preferences of Consumers Who Drink Rosé

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