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Wine Spectatorが1999年1月に発表した「Wines of the Century(20世紀を代表するワイン)」。20世紀にリリースされた数多くのワインの中から、厳選された12本のワインを1本ずつ紹介していく。
Wine Spectatorに選び抜かれた12本とは、一体どんなワインなのだろうか。第12回となる今回は、ハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 1974年を紹介していく。
「ハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 1974年」はどんなワイン?
ハイツ・セラーは、1961年にジョー・ハイツ氏によってナパ・ヴァレーに設立されたワイナリーだ。ナパ・ヴァレーと言えば、高品質なカリフォルニアワインをつくるワイナリーが集まることで知られている。ジョー・ハイツ氏はそのナパ・ヴァレーにワイナリーが20軒もなかったころからワインづくりに取り組み、「カリフォルニアの高品質ワインの創始者」と呼ばれるようになった。「業界全体の基準をつくったワインメーカー」とも評されている。
ハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 1974年は、その名前のとおり、マーサズ・ヴィンヤードで収穫されたカベルネ・ソーヴィニヨンを使っている。マーサズ・ヴィンヤードは、オークヴィルの南の穏やかな斜面にある34エーカーほどのぶどう畑だ。
完全に熟してから収穫したぶどうの果汁を、最初の1年間はアメリカン・オーク、その後2年半はリムザン・オークで熟成する。収穫からリリースまで、5年を費やしている。
「ハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 1974年」に対する評価
Wine Spectatorは記事の中でこのワインを、「明るくて鮮やかな赤色で、はっきりとしたスパイシーさと豊かで凝縮されている。引き締まって複雑なフレッシュなミント、シダー、アニスの味わいを併せ持っている」と解説している。
また、1994年のテイスティングで98ポイントを付けたロバート・パーカー氏は、「度を越さぬタンニン、生き生きとした酸、鮮やかで肉質感のあるフィニッシュ」と評した。
飲みごろについてWine Spectatorは「2006年まで」としたが、パーカー氏は1994年の時点で「20年から25年は持ちこたえる」(つまり2014年から2019年まで)としている。
「ハイツ・セラー マーサズ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 1974年」にまつわるエピソード
1968年、1969年、1970年、そして1974年と、偉大なヴィンテージを生み出したハイツ・セラー。ハイツが初めてワイン名にヴィンヤード名を入れたわけではないが、マーサズ・ヴィンヤードをきっかけに、ワイン醸造業者の間でヴィンヤード名を取り入れるのが流行したという。