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日本で飲めるすべての赤ワイン・白ワインを対象に審査した「日本で飲もう最高のワイン2018」のベストワインが2018年9月3日に発表された。
「日本で飲もう最高のワイン」は今年で8回目。サブタイトルは「テロワールから食卓へ」と付けられていた。
一体、どんなワインが今年の「ベストワイン」に選ばれたのだろうか。ご紹介していこう。
ワインのプロである専門家審査員のほか、一般愛好家も審査に参加できる品評会
「日本で飲もう最高のワイン」は、“日本で飲める一番おいしいワインを探す”をコンセプトに、2011年から始まった。
品評会としての特徴は、審査段階において、専門家カテゴリーのプロ審査員のほか、一般公募で集まった愛好家も審査に加わることだ。
「専門家」の審査員は、審査員長の柳田藤寿氏(山梨大学ワイン科学研究センター教授)をはじめ、ワイン醸造のエキスパートやソムリエ、ワインジャーナリスト、エデュケーター、バイヤーなど、さまざまな場で活躍するワインのプロフェッショナル10名だ。それに一般公募で選ばれた80名の「愛好家」が審査に加わる。
審査はまず、プラチナ、ゴールド、シルバーの各メダルに値する「メダル受賞ワイン」を選ぶ。次に、その中から「白・辛口」「赤・ライトボディ」などの部門別に最高得点を集めたワインを「ベストワイン賞」、最高得点だった日本ワインを「ベスト日本ワイン賞」として別途表彰するという流れだった。その他にも甲州100%ワインの「ベスト甲州賞」、マスカット・ベーリーA 100%の「ベストマスカット・ベーリーA賞」なども表彰している。
では、2018年度の部門別ベストワインを見ていこう。
白ワイン・辛口部門 「ドメーヌ・デュ・タリケ コーテ 2016」
近年、クオリティの高さとコストパフォーマンスの良さで注目を集めるフランス・ガスコーニュ地方のワインがトップになった。
シャルドネとソーヴィニヨン・ブランという個性の異なる2つの品種が、それぞれの持ち味を最大限に生かす形でブレンドされている。
ソーヴィニヨン・ブランのもたらすピンク・グレープフルーツのような爽やかさと、まろやかなシャルドネ感がバランス良好。
白ワイン・甘口部門 「フロンテラ プレミアム ナイト・ハーベスト ホワイト」
チリの大手ワイナリー、コンチャ・イ・トロが放つ「フロンテラ」のプレミアム・シリーズ。
「ナイト・ハーベスト」とは気温の低い夜間にぶどうを収穫すること。そのため、凝縮感ときれいな酸味が生き生きとワインに表れる。
複数のぶどう品種を使用しており、白桃やマスカット、ハーブやミントなど、実に豊かな香りが絡み合う。やや甘口だが、口当たりは爽やか。
赤ワイン・フルボディ部門 「フランシスカン ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン 2015」
ヨーロッパ勢を抑え、赤ワイン・フルボディ部門の評価ナンバーワンに選ばれたのは、カリフォルニア、ナパ・ヴァレーのワインだ。
正統派とも言えるクラシックな味わいは、しっかりした骨格に豊かな果実味があふれ、さまざまな肉料理に合わせることができる。とはいえ、ナパのカベルネにベストマッチするのは、やはり表面を香ばしく焼き付けたステーキだろう。
カベルネ・ソーヴィニヨン81%、メルロー10%、さらにプティ・ヴェルドとマルベックをブレンド。フレンチオークで20カ月熟成させ、奥深い味わいを実現している。
赤ワイン・ミディアムボディ部門 「コロンビアヴァレー シラー 2014」
使い勝手の良いミディアム・ボディの赤ワイン部門からは、アメリカ・ワシントン州のコロンビア・ヴァレーのワインが選ばれた。
つくり手のシャトー・サン・ミッシェルはワシントン州のリーダー的存在として同州のワイン醸造を牽引してきた。
このシラーは栽培に適したワルーク・スロープの畑で育つ。芳醇な果実味とコクが、優しい舌触りとともに口中に広がる。
赤ワイン・ライトボディ部門 「オルロージュ 赤 2016」
軽やかなライトボディ部門には、日本のワインがランクインした。
つくり手のサドヤは、山梨・甲府で大正6年に創業し、当時からワインを醸造・販売してきた老舗だ。
このオルロージュは、山梨産のマスカット・ベーリーAをカベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドすることにより、軽やかな中にも適度なボリューム感とタンニンが加わる。
すき焼きのような肉料理から、肉じゃが等の煮物、まぐろやカツオなどの魚介にも幅広く合わせられる万能選手だ。