フランスのボルドー市中心部に本部を構えるボルドーワインスクールが、2019年に30周年を迎えた。そこで、ボルドーワインスクールとはどんなスクールなのか、また、30周年を迎えた同スクールの新しい取り組みなどをご紹介しよう。
「ボルドーワインスクール」とは
ボルドーワインスクールは、ボルドーワインに関する知識を広めるため、1989年にボルドーワイン委員会(CIVB)が設立。ボルドー市の中心部に本部を構える。
現在、ボルドーワインスクールは、世界21カ国に展開されており、ワイン生産者や醸造家、ソムリエなど250人以上の講師が活躍している。「ボルドーワインチューター」と呼ばれる講師たちは、WSET(世界最大のワイン教育機関による国際認定資格)やDUAD(ボルドー大学公認ワインテイスター資格)、あるいは認定ワイン醸造免許状を保有している。講師になるには、こうした資格に加え、ボルドーでトレーニングを受けて講師認定テストに合格する必要がある。また認定後は、4年ごとに更新のため、ボルドーに行くこととなる。日本では現在、11人の認定講師が活躍している。
同スクールには、140以上のコースが用意されている。専門的なものからワークショップまで、レベルも様式もさまざまだ。対面だけでなくオンラインのコースもあり、受講者は自分の希望とレベルに合ったコースを楽しめる。2018年には、受講者が世界中で8万5000人を超えた。
30周年を迎えて
ボルドーワインスクールでは、30周年を迎えるに当たり、大規模な施設の改修が実施された。2019年春には、テイスティングとトレーニングのための新たな施設を公開している。
新施設にはビデオ設備が完備され、世界中の受講者に向けてオンライントレーニングを発信できるようになっている。さらに、「リヴ・ゴーシュ(Rive Gauche)」と「リヴ・ドロワット(Rive Droite)」と呼ばれる2つのテイスティングルームも設置された。リヴ・ゴーシュには大きなテイスティングテーブルが、リヴ・ドロワットには、ワインセラー「デニ・ドゥブルデュー(Denis Dubourdieu)」が備えられている。
施設だけでなく、新しいウェブサイトも準備中で、2019年の夏から秋頃に公開を予定している。実用的で分かりやすいウェブサイトを目指しており、ネット上で興味のあるコースを検索し、予約ができるようになるという。さらに、講師の顔写真を掲載したり、受講者が受講コースの感想や評価を書き込み、多くの人と共有できるような機能も盛り込む予定だ。
30周年を迎えたボルドーワインスクールは、さまざまなコースを通じて、初心者から専門家まで世界中の幅広い人々に、ボルドーワインの知識と魅力を今まで以上に広めていくようだ。