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日本ワイナリー協会が主催する「第5回 日本ワイン祭り~JAPAN WINE FESTIVAL~」が2019年4月12日~14日に開催された。5回目となるイベントには、北は北海道、南は大分県まで、日本各地から49のワイナリーが参加した。その中から、特徴ある産地でワインづくりに取り組むワイナリーを紹介していきたい。
地元農家が手掛ける4種類のワイン
今回紹介するのは、2017年に誕生した「平泉ワイナリー」だ。中尊寺や毛越寺などの世界遺産があり、一年を通して多くの観光客が訪れる岩手県平泉に位置する。“農家の造る手造りワイン”をコンセプトに、地元の農事組合法人アグリ平泉がワインづくりを行っている。日本ワイン祭りでは、2種類のシードルを含む、4種類のワインを紹介していた。
束稲山麓(たばしねさんろく)ワイン シードル
平泉町産のリンゴ「ふじ」100%でつくったシードル。岩手県でもリンゴを育てていることをアピールしたい、という思いが込められた1本だという。
使用するリンゴは、その昔に西行法師が「ききもせず束稲山のさくら花 よし野のほかにかかるべしとは」と和歌に詠んだとされる山麓の畑で栽培されたもの。酸味のあるすっきりとした味わいを特徴としている。アグリ平泉では、日本で唯一「コユキコムギ」というパン専用小麦を使ったパンも焼いており、このパンに合うように辛口に仕上げたという。
価格:1700円(税別)
平泉りんごワイン シードル
平泉地区(一関市)のリンゴ「ふじ」を使用した辛口シードル。リンゴの持つ甘い香りが楽しめる。「束稲山麓ワイン シードル」と同じ品種を使い、同じ製法で仕上げても、産地が違うと個性が異なることを実感できるワインだ。
価格:1500円(税別)
平泉ワイナリー キャンベル&ノースレッド ロゼ
一関市産のキャンベルを60%、ノースレッドを40%使用。フルーティながら、うま味がしっかりしたロゼワインに仕上がっている。キャンベルの持つベリー系の華やかさを楽しみながら、飲み飽きない辛口の味わい。
価格:1500円(税別)
平泉ワイナリー 山葡萄
岩手県を代表する品種の山葡萄を100%使用。通常の果汁だけではなく、皮・実・種を一緒に発酵させる「醸し仕込み(マセラシオン)」で丁寧に仕上げた1本となる。「ぜひ多くの方に飲んでいただきたい」という思いから出品したという。しっかりとした酸味が特徴のしっかりとした赤ワインだ。来場者の反応もよく、早々に完売した。
価格:1500円(税別)
平泉ワイナリーの醸造家・関根康之さんによると、「平泉にワイナリーがあったんだ」という反応を多く受けたそうだ。同氏は、「今回の出展が平泉ワイナリーの名前を知っていただくよい機会になったと思う」とコメントしている。
世界遺産の目の前で購入できるワイン
平泉ワイナリーは、わずか31坪の建物を改装した小さなワイナリーだ。見学ツアーなどは開催していない。地元農家によるワイナリーとして、できるだけナチュラルなつくり方で、自然な味わいのワインを目指しているという。
建物は小さいが、大きなこだわりが込められたワインは、毛越寺門前にある「毛越寺門前直売 あやめ」と中尊寺門前にある「平泉レストハウス」で購入が可能。いずれも世界遺産の目の前という好立地にあり、お土産の購入も兼ねて気楽に立ち寄れるお店だ。
特に、アグリ平泉の直営店である「毛越寺門前直売 あやめ」では、地元の食材やそれを使用したパンや軽食も楽しめる。
平泉観光の思い出に、平泉産ワインを味わってみてはいかがだろうか。
<ワイン販売店>
毛越寺門前直売あやめ
〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉大沢61-5
https://blog.agri-hiraizumi.com/ayame/
平泉レストハウス
〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉字坂下10-7
http://www.hiraizumi2011.jp/