2019年9月5日、フランス大使館にてサヴォワワインのマスタークラスと試飲会が行われた。フランス国内の星付きレストランでサーブされることも多いサヴォワワインは高品質。土着品種それぞれの特徴を引き出した繊細な味わいの白ワインが多く作られ、日本人の好みにもとてもマッチしそうなのだが、生産量の5%しか輸出されていない。
日本でも味わう機会が増えてほしい、サヴォワのワイン。良質なワインを、作り手ごとにご紹介していこう。
ドメーヌ・ヴァンダンジュ
クレマン・ド・サヴォワ
地域名称:AOP ヴァン・ド・サヴォワ
品種:ジャケール、アルテス、シャルドネ
特徴:2015年にクレマンの呼称を認められた、サヴォワのスパークリングワイン。クレマンは、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵のワインで、フランス国内の8つの産地のみで作られる。こちらは白ぶどうだけを使用したブラン・ド・ブラン。キメが細かく滑らかなムース状の泡、白い花や白い果実を連想させるアロマ。繊細でありながら、ふくよかでボリューム感のある口当たり。芯の通った味わいは、18ヶ月以上という熟成期間からくるものだ。ホタテや白身魚、チーズを使った料理、和食なら豚しゃぶなどにも合わせられる。
サヴォワ・ジャケール
地域名称:サヴォワ・ジャケール
品種:ジャケール
特徴:土着品種のジャケールを100%使用した白ワイン。ジャケール特有の、バナナやライムなどが混じり合う香りと、レモンのように爽やかな口当たりが心地良い。白味魚やササミのフリット(現地ではカエルも)、ミルク感の強い濃厚な山岳地帯のチーズなどに合わせたい。
ルーセット・ド・サヴォワ
地域名称: AOPルーセット・ド・サヴォワ
品種:アルテス
特徴:同じくサヴォワの土着品種であるアルテスを使った白。アルテスは別名、ルーセットと呼ばれる。白桃やマンゴー、洋梨を思わせる様々な香りが絡み合う中での、スパイシーなニュアンスが特徴的。ジンジャーやムスクのような香りも感じられる。味わいは鮮烈でボリューミー。後からくる苦味が川魚料理などと好相性だ。