コラム

日本未輸入のワインが多数出品! 秋の「テイスティン・フランス」レポート

ワイン専門店に並ぶたくさんのフランスワインを見ていると、実に多くのつくり手のものが日本でも買えるようになった、と思うかもしれない。だが、店頭に並んでいるのはインポーターによって輸入されたもののみで、フランス本国には、まだまだ日本未輸入の良質なワインが多数存在する。そんなワインのつくり手と、日本やアジアの輸入業者が出会えるチャンス、それが「テイスティン・フランス(Tastin’FRANCE)」だ。

世界50都市以上で開催される「テイスティン・フランス」

テイスティン・フランスとは、フランス貿易投資庁-ビジネスフランスのワイン&スピリッツ部門が世界50都市以上で開催している、プロ向けのテイスティングイベントだ。2019年は世界各国60都市以上、約30カ所での開催を予定している。

東京では今年、5月に続き、11月20日に秋の試飲会を開催。会場となった品川グース内のTKPガーデンシティ品川ネクサスには、約35社が出展した。

その出展者の中から、いくつか抜粋して紹介していこう。

シャンパーニュ・イヴリーヌ・プラ(Champagne Yveline Prat)

1975年創業。互いにぶどう農家に育った夫婦が立ち上げたメゾン。シャンパーニュの中では比較的新しいつくり手だが、現在14ha以上の畑をコート・ド・コンギー、セザンヌ、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・バールに持ち、各テロワールに最適なぶどう品種を栽培している。異なる土壌は一律に管理できず手間がかかるが、結果として非常に複雑味のある、多様なフレーバーを持つワインに仕上がっている。イギリスのワイン雑誌『デキャンタ』によるコンクールで、銀賞と銅賞を獲得している。

ラ・カーヴ・デュ・ヴィエイユ・アルマン(La Cave Du Vieil Armand)

ラ・カーヴ・デュ・ヴィエイユ・アルマンは、アルザス地方の小規模な生産者協同組合だ。アルザス地方の最も南に位置し、生産者数は80を数える。小さな村だが、グラン・クリュのワインも多くつくられている。この組合は1958年に設立され、長年その品質を高めるために尽力してきた。現在、ワインセンターには直売所やワイン博物館が併設され、ワイン醸造に関する知見を高めることができる。

ドメーヌ・ド・フヌイエ(Domaine de Fenouillet)

1989年、4代目のパトリックとヴァンサン・ソアールによって設立された家族経営のドメーヌ。コート・デュ・ローヌの南部、ダンテル・ド・モンミライユ山地のボーム・ド・ヴニーズにある。2012年にドメーヌ全体がオーガニックの認定を受けた。主に生産するのは、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ、ボーム・ド・ヴニーズ(赤)、ヴァントゥー、ヴァケラス(赤)など。アメリカやベルギーなどで好評を得ている。

ドメーヌ・レ・グラン・ボワ(Domaine Les Grand Bois)

ドメーヌ・レ・グラン・ボワは、プロヴァンスの小さな村サント・セシル・レ・ヴィーニュに位置する。設立は1929年。オーナーのベスナルドー・ファルジョン家は、現在4代目にあたる。コート・デュ・ローヌ、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・サント・セシル、ケランヌ、ラストーの各AOPでワインを生産している。土壌を大切にし、オーガニックの認定を受け、自然に寄り添ったワインづくりを実践。

ドメーヌ・ド・ラゴワ(Domaine De Lagoy)

ドメーヌ・ド・ラゴワは、サン・レミ・ド・プロヴァンス近郊にある広大なワイナリー。IGPアルピーユの赤、ロゼ、白を生産している。非常に高いコスト・パフォーマンスが評価されており、アメリカやベルギー、デンマークなどへの輸出が増えている。2018年、パリ農業コンクールで、「ロゼ・クラシック」が金賞を受賞している。

ペルヴィラン・ヴァン・グラン・ヴァン・デュ・カオール(Pelvillain Vins Grands Vins De Cahors)

フランス南西部のカオールより出展のアルノー・ペルヴィランは、数世代にわたりドメーヌを経営してきたが、一方で2016年にペルヴィラン・ヴァン社を設立。カオールを中心に、フランスの複数の生産地から生み出される優れたワインをセレクトし、国内外へ販売している。

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About the author /  Yayoi Ozawa
Yayoi Ozawa

フランス料理店経営ののち、ワインとグルメ、音楽を専門とするライターへ転身