2019年10月29日、スペインワイン&フード商談会が、八芳園(東京都港区白金台)にて開催された。日欧EPAによる関税撤廃もあり、より手軽に味わえるようになったスペインワインだが、スペイン大使館経済商務部が開催した今回の商談会では、インポーター(輸入業者)55社が一堂に会し、数々の魅力的なスペイン産ワインを披露した。
今回はその中から特に目を引いたワインの作り手とそのワインを紹介したい。
つくり手:ヴェルム(VERUM)
ボデガス・イ・ビニェドス・ヴェルムは、スペイン中央に位置する自治州であるカスティーリャ・ラ・マンチャに根付く家族経営のワイナリーだ。一族は1788年からこの地でワインづくりに携わっており、土地への理解と深い愛情を強みとしている。気候変動を予期しながら、その地域に適した品種を生かしたワインをつくっている。
ウルテリオール(Ulterior)は、ヴェルムが生み出した新シリーズで、今回が日本初進出となる。カスティーリャ・ラ・マンチャの固有品種にこだわり、オーガニック農法で作り上げている。
商談会当日にはワインのつくり手であり、「スペインワインの世界を変える10人」に選ばれたエリアス・ロペス・モンテロ氏もブースに立ち、ウルテリオールをアピールしていた。ブースには何度も足を運ぶ人の姿があり、注目度と満足度の高さがうかがえた。
ウルテリオールのおすすめアイテム
ウルテリオール・パルセラ6 2016
■ぶどう品種:ガルナッチャ
■価格:3200円(税抜)
厳選したガルナッチャを100%使用し、アンフォラという素焼きの甕(かめ)で熟成させる伝統的な方法でつくった一本。デリケートさとしっかりした骨格の両方が味わえ、脂の乗った魚やホワイトソースのパスタ、鳥肉などの食事とも合わせやすい。
ウルテリオール グラシアーノ パルセラ17
■ぶどう品種:グラシアーノ
■価格:3200円(税抜)
リオハではブレンド品種として使用されることが多いグラシアーノ。日照量の多いカスティーリャ・ラ・マンチャで栽培すれば、単一品種で楽しめるぶどうに仕上がる。それを生かしてつくったのがこの一本。その味わいは食のスタイルを問わず、魚にも肉にも合わせやすい。
ウルテリオールは他にも、マスエロやティント・ヴェラスコ、復興ブドウ品種と呼ばれるアルビージョ・レアルを使用した単一品種ワインを生産している。主要なターミナル駅から近い取り扱いの小売店はとして、神戸市三宮のAitana Wine House(アイタナ・ワイン・ハウス)、大阪市大国町のビノテカ・パネンカなどがある。
それらの小売店以外では、主に飲食店でのみ取り扱われている。レストランなどで見かけたとき、ウルテリオールがワインで表現するテロワールをぜひ確認してみてほしい。