2020年2月9日に7回目の開催を迎えた「NAGANO WINE FES in 東京」。今年も長野県内にある33のワイナリーが一堂に会した。新しいワイナリーもあれば、毎回ファンが足を運ぶ、おなじみのワイナリーもある。そのうちの1つが、乾杯前の行列が名物ともいえる「リュードヴァン(Rue de Vin)」だ。
理由があって選んだ3本
リュードヴァンがNAGANO WINE FES in 東京で提供したワインは、こちらの3本だ。
・「ヴァン・ムスー スペシャル」参考小売価格6900円(税込)
・「ソーヴィニヨン・ブラン2019」参考小売価格4290円(税込)
・「ピノ・ノワール2018」参考小売価格5100円(税込)
リュードヴァンでは、赤、白、ロゼ、スパークリング、シードルを生産しており、それぞれのラインアップも豊富だ。その中からこの3本を選んだ理由を、リュードヴァンの創立者であり醸造家の小山英明さんに伺った。
ヴァン・ムスー スペシャル
ピノ・ノワールを主体に、シャルドネをブレンドしたスパークリングワイン。シャンパンと同じ瓶内二次発酵方式でつくられている。開場と同時にできる長蛇の列は、このワインが目当てだ。
《このワインを選んだ理由》
「シャンパンと肩を並べられるスパークリングです。“長野に来たらリュードヴァンのヴァン・ムスーで乾杯”というのを、文化的なところにまで持っていきたいと考えています。高価なので買うのをちゅうちょする方もいますが、この場ではグラスで楽しめるので、知ってもらえるいい機会です」
ソーヴィニヨン・ブラン2019
2018年ヴィンテージは早々に完売したという、人気のソーヴィニヨン・ブラン。今年のヴィンテージからは価格もお求めやすくなった。
《このワインを選んだ理由》
「ソーヴィニヨン・ブランは一番人気の商品であることはもちろん、2019年ヴィンテージで最初にリリースされる商品です。いつも通りのいい仕上がりであることを、お客様に試していただければと思いました」
ピノ・ノワール2018
ぶどうの粒が密集しており、特に湿気の多い日本では栽培が難しいといわれる、ピノ・ノワールを使ったワイン。土地の個性が出やすいことで知られている品種だ。料理に合わせやすいこともあり、世界的に人気が高い。
《このワインを選んだ理由》
「長野の赤ワインというと、どうしてもメルローというイメージがあります。当社でもボルドースタイルのとてもいいメルローをつくっていますが、最近ではピノ・ノワールのクオリティが上がってきているので、ぜひ味わっていただきたいです」
栽培から醸造まで、一貫して手掛ける
天候に恵まれず、全般的に厳しかった2019年ヴィンテージについて小山さんに伺うと、「当社では質・量ともに過去最高の年となりました。培ってきた栽培技術が実を結んだ年だと思います」と語ってくれた。
栽培から醸造まで一貫して手掛けているリュードヴァンは、昨年2019年から出展がワインメーカーのみとなり、委託醸造(ヴィンヤード)の参加がなくなったことについても「良いことだと思う」と語る。委託元が限られた委託醸造では味わいが似てしまうため、自社醸造のみ参加とすることで実力を測ることができると考えているそうだ。
栽培から醸造まで「良いものをつくっている」との自信にあふれるワイナリーだが、ワイン1本1本が、その自信を裏付けているといえそうだ。