コラム

パリ・テイスティングの立役者! ナパ・バレーのレジェンドが手掛ける「ガーギッチ・ヒルズ・エステート」 ~カリフォルニアワイン・グランドテイスティング2020

カリフォルニアワイン協会(CWI)は2020年10月27日、インポーター30社と未輸入ワイナリー11社が参加する、プロ向け試飲会「カリフォルニアワイン・グランドテイスティング2020」を東京會舘(東京都千代田区)で開催した。医師の医療アドバイスを受け、新型コロナウイルス感染症に対する万全の対策の中での開催となった。

会場に集まった多数のワインの中から、注目のワイナリーを紹介する。

ガーギッチ・ヒルズ・エステート

ガーギッチ・ヒルズ・エステートの偉大さを説明するときに避けて通れないのが、カリフォルニアワインの品質の高さが世界に知れ渡るきっかけとなった、1976年の「パリ・テイスティング(パリスの審判)」だ。

フランスの名門ワイナリーとカリフォルニアワインのブラインドテイスティングが行われたが、事前の予想に反して白ワインのトップとなったのが、カリフォルニア産の「1973年モンテレーナ・シャルドネ」だった。当時、シャトー・モンテレーナの醸造長としてこのワインを手掛けたのが、後にガーギッチ・ヒルズ・エステートを設立するマイク・ガーギッチだった。

現在、ワインづくりで使用しているぶどうは、全て有機栽培を実践している自社畑のもの。2003年以降は、全てのワインのラベルに「エステート・グロウン」と記載している。

醸造には天然酵母のみを用いており、「畑から皆さんのグラスに直送の自家製ワイン!」という、マイク・ガーギッチの口癖を実現するワインづくりが行われている。

おすすめワイン

カリフォルニアワインを昔から知っている人は、“ずっしりとした重いワイン”という印象を持っていることが多いが、最近の流行はエレガントで食事に合わせやすいスタイルのワイン。

ガーギッチ・ヒルズ・エステートの手掛けるワインは、時代に左右されることなく、昔からエレガントなスタイルだ。カリフォルニアワインのレジェンドが、長年スタイルを変えずに手掛けるワインの中から、ガーギッチ・ヒルズ・エステート初心者におすすめしたい3本を紹介する。

ガーギッチ・ヒルズ・エステート シャルドネ エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2017

「キング・オブ・シャルドネ」と呼ばれているマイク・ガーギッチの手掛けるシャルドネは、きれいな酸とリッチな味わいが魅力だ。しっかりとしたアルコール度数が、後味に甘やかな印象を残す。新鮮な魚介類、ローストチキン、ボークのグリル、シーザーサラダ、クリーミーなチーズとよく合う1本。

産地:ナパ・バレー
品種:シャルドネ100%
アルコール度数:14.1%
参考小売価格:7600円(税別)

ガーギッチ・ヒルズ・エステート フュメ・ブラン エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2017

ガーギッチ・ヒルズ・エステートのソーヴィニヨン・ブラン(フュメ・ブラン)は、アメリカのレーガン大統領やクリントン大統領、イギリスのエリザベス2世女王などの晩餐会で愛飲されている。フレンチオークを使用したリッチな風味が魅力の1本だ。ヒラメのムニエル、豚のヒレ肉、ヤギのチーズなどとよく合う。

産地:ナパ・バレー
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
アルコール度数:13.5%
参考小売価格:5900円(税別)

ガーギッチ・ヒルズ・エステート ジンファンデル エステート・グロウン ナパ・ヴァレー 2014

クロアチア移民であるマイク・ガーギッチは、「祖父がつくっていたぶどうだ」と確信して、ジンファンデルの栽培をスタートさせた。今でこそジンファンデルは、クロアチアを起源とする品種だとDNA解析で明らかになっている。マイク・ガーギッチは、そのずっと前から気づいていたのだ。

このワインは、2014年ヴィンテージということもあり、少しこなれた印象を受ける。リッチさとしっかりしたボディを、エレガンスさや繊細さと同時に楽しめる。高級感のあるジンファンデルを味わいたい人に、おすすめしたいワインだ。ソーセージのピザやグリルしたシシケバブなどとの相性が良い。

産地:ナパ・バレー
品種:ジンファンデル97%、プティット・シラー3%
アルコール度数:14.8%
参考小売価格:6300円(税別)

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About the author /  鵜沢 シズカ
鵜沢 シズカ

J.S.A.ワインエキスパート。米フロリダ州で日本酒の販売に携わっている間に、浮気心で手を出したワインに魅了される。英語や販売・営業経験を活かしながら、ワインの魅力を伝えられたら幸せ