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2021年3月、「第8回サクラアワード2021」の受賞ワインが発表された。「International Women’s Day」である同月8日にダブルゴールド、ゴールド、シルバー受賞ワインが、同月20日には、ダイヤモンドトロフィー、特別賞グランプリが明らかになった。
アジア最大級のワインコンペティション「サクラアワード」とは
「サクラアワード(“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards)」は、「家庭料理に合うワインを探す」「ワインの消費拡大」「ワイン業界で働く女性の活躍を促す」の3つを目標に掲げた、女性によるワインコンペティションで、2014年から開催されている。審査責任者を務めるワインアンドワインカルチャー代表取締役の田辺由美氏をはじめ、ソムリエやワイン醸造家、ワイン業界の関係者など、日本のワイン業界で活躍する女性が審査するとあって、国内外から注目を集めている。
また、サクラアワードは、アジア最大級のワインコンペティションとも言われ、その審査力の高さから、業界からの期待も大きい。それは、今回の参加国数32カ国、総エントリー数4562アイテム(うち日本から362アイテム)という数にも表れている。
審査方法は、ブラインドテイスティングにより点数(100点満点)で評価。この点数により、ダブルゴールド、ゴールド、シルバー受賞ワインが選出される。
第8回を迎える今回のサクラアワードは、2021年2月8日に東京会場(東京都目黒区・ホテル雅叙園東京)、同月16日に大阪会場(大阪府大阪市・ホテル日航大阪)にて、186人の審査員が審査を行った。
受賞ワイン
結果は、審査員の平均点が100点満点中93点以上のワインに与えられる「ダブルゴールド」が275アイテム、88~92点の「ゴールド」が1074アイテム、83~87点の「シルバー」が882アイテムで、計2231アイテムが受賞の栄誉に輝いた。
また、ダブルゴールド受賞ワインの中からより優れたワインに与えられる最高賞「ダイヤモンドトロフィー」は、エントリー数の約1%である58アイテムが受賞した。さらに、ゴールド受賞以上のワインから選ばれる8つの「特別賞」と9つの「和食・アジア料理に合うワイン賞」があり、各賞で最高得点を獲得したワインにはグランプリが授与される。
ダイヤモンドトロフィー受賞ワイン
ダイヤモンドトロフィーを受賞した58アイテムを国別で見ると、フランス16、イタリア9、スペイン7、アメリカ6、チリ5、アルゼンチンと南アフリカ、ポルトガル各3、アルメニア、オーストラリア、ブルガリア、ドイツ、ニュージーランド、スロバキア各1アイテムとなっている。
最高賞であるダイヤモンドトロフィー受賞ワインの中には、特別賞を同時に受賞しているものも多い。例えば、フランスの「CUVEE CARMEN 2018」は、「女性ワインメーカー賞」「ロゼワイン賞」の両賞のグランプリを獲得。また、アルメニアの「KOOR WHITE RESERVE 2017」が「これから飲みたい品種賞」、南アフリカの「LABORIE ROSE 2020」が「タイ料理に合うワイン賞」のグランプリをそれぞれ受賞している。
活躍する日本ワイン
日本ワインも大いに健闘した。日本ワインの受賞数は139アイテムで、内訳はダブルゴールドが17、ゴールドが65、シルバーが57アイテムとなっている。また、ダブルゴールド、ゴールド受賞ワインのうち、12アイテムが特別賞を獲得している。
ダブルゴールド受賞の日本ワイン
ダブルゴールドを受賞した日本ワインの中から、いくつか紹介してみよう。
シャトー・メルシャンの「シャトー・メルシャン 新鶴シャルドネ 2018」は、福島県会津美里町新鶴地区の成熟したシャルドネを100%使用した辛口白ワイン。新鶴地区では雨よけ施設など独自の方法を用いて、産地の個性を引き出している。柔らかな酸とトロピカルフルーツを思わせる香りが特徴的だ。
また、サントリーワインインターナショナルの「ジャパンプレミアム 甲州 2019」もダブルゴールドを受賞。なお、「同 マスカット・ベーリーA 2017」は、ゴールドを受賞した。
「ジャパンプレミアム」は、日本固有あるいは欧州系品種の中でも日本独自の味わいを持つぶどうを厳選し、品種の個性を最大限に引き出したシリーズ。「同 甲州 2019」は、和かんきつのような上品な香りとうま味を感じる繊細な味わいで、「同 マスカット・ベーリーA 2017」は華やかで甘い香りと自然な酸味を特徴とする。
サンクゼールの「ナイアガラブラン2020」は、ダブルゴールドと特別賞「ベストデザートワイン賞」を同時受賞。同社の「サンクチュアリ2019」はシルバーを受賞している。
「ナイアガラブラン2020」は、爽やかなマスカット系の香りとぶどうのフルーティーな味わいを楽しめる、ほんのり甘めのワインだ。「サンクチュアリ2019」は、自社で栽培したシャルドネ、リースリング、ミュラー・トゥルガウの3種類の白ぶどうをブレンドしており、シャルドネの果実味と、余韻には少し華やかなかんきつ系の香りが感じられる。
青森県のサンマモルワイナリーからは、「下北ワイン Kanon2019」がダブルゴールドを受賞。ゴールド受賞の「下北ワイン Kanon Dry Selection2019」とともに、特別賞「これから飲みたい品種賞」も受賞した。他に、「津軽ワイン ホワイトスチューベンSWEET2019」がシルバーを受賞している。
“グランプリ”ジャパニーズワイン賞
サクラアワードでは、特別賞の1つとして「“グランプリ”ジャパニーズワイン賞(ベストジャパニーズワイン賞)」が設けられている。日本で醸造され、瓶詰めされたワインの中から、世界のワインと質を競い合い受賞したアイテムに与えられる賞だ。2021年は以下の3アイテムが選ばれた。
岩の原葡萄園の「深雪花(みゆきばな) 赤」は、同賞とダブルゴールドを同時に受賞。これは、同社としては初の快挙となる。完熟したマスカット・ベーリーAを厳選して醸造し、果皮や種から香味成分をしっかりと抽出した後、樽でじっくりと熟成させたこのワインは、濃縮感たっぷりの果実味が醸し出す、ふくらみとまろやかさを特徴とする。なお、「深雪花 ロゼ」はシルバーを獲得している。
このほか、“グランプリ”ジャパニーズワイン賞を受賞したのは、高畠ワイナリーの「高畠ワイナリー レ トロワ シゾード オオウラ エン カミワダ シャルドネ」で、ダブルゴールドと同時受賞。蒼龍葡萄酒の「山梨のベーリーA ロゼ」は、ゴールドとの同時受賞となった。
受賞ワインを飲みたくなったら
全ての受賞ワインは、サクラアワード公式HPのリストで確認できる。また、栄誉ある賞を受賞したワインを飲んでみたいけれど、どこで買えるのだろう――。そう思った場合、同HPには、販売協力会社として、受賞ワインを取り扱う全国のデパート、スーパーマーケット、ワインショップ、ネットショップが掲載されており、どこで購入できるのかが分かるようになっている。受賞商品は、ダイヤモンドトロフィー、ダブルゴールド、ゴールド、シルバー、それぞれのメダルロゴが目印となっていて、見つけやすい。
さらに公式HPには、サクラアワード・サポートレストランとして、受賞ワインを飲めるお店の一覧が掲載されているので、プロがつくり出す料理とのマリアージュを楽しむのもいいだろう。ぜひ、ワインを知り尽くした女性たちが選んだワインを味わってみてほしい。
<関連リンク>
第8回サクラアワード2021受賞発表!!