INDEX
魅力的なワインを生産するフランスは、イタリアに次ぐワイン生産国だ(2022年4月27日のOIV発表より)。ボルドーとブルゴーニュの2大生産地はあまりにも有名だが、他にもフランス全土でその環境を生かしたワインづくりが行われている。
歴史あるワイナリーが多く、「ロマネ・コンティ」などの高級ワインが世界中で知られているためか、“フランスワインは高い”というイメージを持たれがちだが、意外とコスパの良いお得なものも。厳しい品質管理と恵まれた環境から生み出されるフランスワインは、知れば知るほど奥深い。
個性と実力を兼ね備えたフランスワインを生み出すワイナリーの中から、今回はシャトー ド ラスコー(Chateau de Lascaux)を紹介する。
有機栽培でのワインづくりに注目が集まるワイナリー
シャトー ド ラスコーという名前は、ワイナリーの畑がある丘の名前に由来する。「ラスコー」には、ワイナリーのある南フランス・ラングドック地方の古い言葉で「赤い石」という意味があるという。
自然と調和するワインづくり
16世紀から続く歴史あるワイナリーだが、14代目のジャン・ブノワ・キャヴァリエ氏が1984年に経営を引き継ぎ、現在の地に拠点を築いてから大きな飛躍を遂げた。現在は、15代目となる2人の娘と共にワインづくりに取り組んでいる。
2006年から有機農法を導入し、2009年には国際有機認定機関のエコセールから認証を受けるなど自然派ワインに力を入れている。風土や気候が織り成す恵まれた環境の中で、化学肥料や除草剤を使用しない有機栽培で自然と調和するワインづくりを目指している。アロマティックで力強い味わいの自然派ワインは、フランスの歴史あるワインガイド誌『ギド・アシェット(Guide Hachette)』などで星を獲得するなど、評価も高い。
シャトー ド ラスコーの産地
シャトー ド ラスコーは、ラングドック地方の中で最も北にある、ピク・サン・ルーに位置する。ピレネー山脈、セヴェンヌ山塊、アルプス山脈に囲まれた環境と、太古の地殻変動による複雑な土壌、地中海性気候でありながら高地にあるため寒暖差が激しいという気候上の特性などがぶどうの成熟に良い影響を与え、長期熟成に耐え得るワインが生まれると注目されている産地だ。
さらに、周囲はガリッグと呼ばれる潅木地帯で、タイムやローズマリー、オークなどが生い茂る南フランス特有の風土となっており、石灰岩質の土壌と相まって、この産地ならではのミネラルやハーブのようなニュアンスをワインに与えている。
シャトー ド ラスコーのおすすめワイン
シャトー ド ラスコーにはブランドがいくつかある。スタンダードブランドとして知られる「ドメーヌ キャヴァリエ」をはじめ、手頃な価格帯のものも多く揃えるので、普段の食事と合わせて楽しんでみてほしい。
ドメーヌ キャヴァリエ(白)
シャトー ド ラスコーのスタンダードブランド。カリンやかんきつ類を感じさせるフルーティーなアロマが楽しめる。辛口ながら口当たりに丸みがあり、豊かなミネラルを感じる味わい。
産地:ラングドッグ・ルーション
品種:ソーヴィニヨン・ブラン、ヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌ
価格:オープン価格(参考価格2820円・税別)
Amazonで見る
シャトー ド ラスコー ガリッグ ブラン
ワイナリーを代表するブランド。ワイナリー周辺の石灰岩質土壌とガリッグ(タイムやローズマリーが茂る潅木地帯)からくるハーブのアロマを存分に楽しめる。有機栽培によるワインで、樽での熟成をあえてせず、甘く熟した果実の香りが感じられる。しっかりしたタンニンと酸のバランスも良く、ミネラル豊かなすっきりした味わいながら、余韻も十分に堪能できる。
産地:ラングドッグ
品種:ヴァルマンティーノ、ルーサンヌ、マルサンヌ、ヴィオニエ
価格:オープン価格(参考価格3120円・税別)
楽天で見る
シャトー ド ラスコー レ ノーブル ピエール
シャトー ド ラスコーのトップブランド。ぶどう本来の果実味を生かすため、ろ過せずに醸造している。カシスやハーブが融合したような複雑なアロマが楽しめ、しっかりとした旨味を感じるワインで、おいしさの余韻が長く続く。
産地:ラングドッグ・ルーション
品種:シラー、グルナッシュ
価格:オープン価格(参考価格5180円・税別)
Amazonで見る
※参考価格は全て2022年9月1日以降の価格。
【解説:フランスのワイナリー】
“アッサンブラージュの天才”に世界中が注目! ドメーヌ・ラファージュ