コラム

オー・ド・フランス地域のシャンパーニュが集結! ~シャンパーニュ試飲商談会レポ①

フランス貿易投資庁-ビジネスフランスは2022年10月5日、シャンパーニュの主要生産地の1つとして知られる、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ(Vallée de la Marne)地区に焦点を当てた「シャンパーニュ マスタークラス&テイスティング」を開催した。

東京都港区のレストラン「ひらまつレゼルヴ西麻布」を会場に、ワインインポーターやプレス関係者、酒類業界の従事者を対象(マスタークラスはワインインポーター向け)に、万全の新型コロナウイルス感染症対策の下で実施された。
 
午前の部では、オー・ド・フランス(Hauts de France)地域にある6社のシャンパーニュ生産者を招き、「銀座レカン」シェフソムリエの近藤佑哉⽒の解説によるマスタークラスを開催した。

「銀座レカン」シェフソムリエの近藤佑哉⽒

午後の部では、生産者がそれぞれのワインを紹介する試飲商談会が行われた。日本未輸入品が中心となっており、インポーターを通して、今後日本にも広めたいという各生産者の意気込みが伝わってきた。

オー・ド・フランス地域とは

シャンパーニュ地方には、モンターニュ・ド・ランス地区、コート・デ・ブラン地区、コート・デ・バール地区、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区の4つの産地がある。

今回の試飲商談会で対象となったのは、オー・ド・フランス地域にある、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区西部のシャンパーニュだ。オー・ド・フランス地域はフランス北部に位置し、エーヌ県のヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区が含まれる。

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区の特徴

シャンパーニュ地方には、約3400haのAOPシャンパーニュのぶどう畑が32もの村に広がっている。オー・ド・フランス地域に位置するエーヌ県では年間2000~2500万本のシャンパーニュが生産されており、シャンパーニュ全体の生産量の10%を占める。

ヴァレ・ド・ラ・マルヌとは「マルヌ渓谷」を意味し、シャンパーニュ地方の中心に位置するエペルネから西へ流れるマルヌ川の両岸に広がっている。渓谷沿いにぶどう畑が続き、マルヌ県、セーヌ・マルヌ県、エーヌ県にわたる広大な産地だ。

年間平均温度は10℃で、シャンパーニュづくりにふさわしい、酸の高いぶどうができる冷涼な気候となっている。渓谷という地形から湿度が高く、霜の影響も受けやすい。そのため、霜に強いムニエが主流品種で約8割を占めるが、ピノ・ノワールやシャルドネも栽培されている。温暖で日照に恵まれた南向きの区画では、質の良いピノ・ノワールができる。

オー・ド・フランス地域のシャンパーニュの特徴

オー・ド・フランス地域でつくられたシャンパーニュは、フルーティーで美食家もうならせる、洗練されたテイストを特徴とする。ドザージュ(補糖)が少なめで、穏やかで柔らかなタッチを持ち味としている。

今回の試飲会では、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区西部の生産者として、「Champagne Philippe Dechelle」「Champagne Angellis(Champagne Fleury et Fils)」「Champagne Daniel Gerbaux」「Champagne Leclère Torrens」「Champagne Météyer」「Champagne Lévêque-Dehan」が出展。マスタークラスでは、各生産者の自信作であるキュヴェを2種ずつ、近藤氏が⽣産者のコメントを交えながら解説した。

次回からは、出展された6社の中から、3つの生産者を紹介していく。

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About the author /  大江 有起
大江 有起

コピーライター、雑誌の編集者などを色々経てフリーライターに。文章を書くことと、赤玉スイートワインや貴腐ワインのような甘いワインが好きです。 ワインバザールさんにてワインに興味を持ち、一般社団法人日本ソムリエ協会ワイン検定シルバー取得しました