ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー(Union des Grands Crus Bordeaux:UGCB)は2023年11月20日、「ヴィンテージ2020 トレード・テイスティング」を開催した。
当日は、東京都港区の八芳園を会場に、UGCBに加盟する85シャトーが集結。コロナ禍を経て、今年は4年ぶりに生産者も来日し、“当たり年”となった自慢のヴィンテージ2020をそれぞれ披露した。
今回は参加したシャトーの中から、マルゴー地区のシャトー・ローザン・ガシー(Château Rauzan-Gassies)を紹介する。
シャトー・ローザン・ガシーとは
シャトー・ローザン・ガシーは、フランス・ボルドー地方のメドック地区にある村名AOC(Appellation d’Origine Controlee、原産地管理呼称)の1つ、マルゴーの格付けシャトーだ。
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マルゴーは、メドック地区の最も南に位置する。日本でも有名なシャトー・マルゴーをはじめ、21もの格付けシャトーが集う銘醸地として知られる。
シャトー・ローザン・ガシーの歴史は、1763年にさかのぼる。もともとは隣接するシャトー・ローザン・セグラの一部だったが、相続上の理由から2つに分割されて、シャトー・ローザン・ガシーが誕生した。1855年のメドック格付け(グラン・クリュ・クラッセ)では、シャトー・ローザン・セグラと共に、第2級シャトーに選ばれている。
その後、1946年にワイン仲介人のポール・キエ氏がオーナーに就任。2000年に同氏の孫であるアンネ・フランソワーズ・キエ氏とジャン・フィリップ・キエ氏が受け継ぎ、家族経営を続けている。
「高品質なマルゴーのワインを多くの人が楽しめる価格で」というキエ家の考えを守り続け、第2級シャトーでありながらもリーズナブルな価格でワインを提供している。
シャトー・ローザン・ガシーのワイン
トレード・テイスティングでは、来日したオーナーのアンネ氏に話を伺った。
――おすすめのワインについて教えてください。
おすすめは、「シャトー・ローザン・ガシー」です。ブラックベリーやカシス、熟したベリー、干しぶどうのような赤系果実の味わいに、黒こしょうのニュアンスが感じられます。コンテチーズやゴーダチーズなどのハードタイプのチーズと相性がいいです。また、鶏肉や鴨、ソテーした魚などにターメリックのソースを合わせて食べるのがフランス国内で流行していて、そういった料理にもよく合います。
――ヴィンテージ2020はどんな味わいでしょうか。
2020年は、とても良い年でした。霜もなく、順調にぶどうが育ち、非常に良質なワインが出来ました。そのため評判も良く、売り切れてしまう可能性もあります。見つけたら、どうぞ手に取ってみてください。
「シャトー・ローザン・ガシー2020」
タイプ:赤・ミディアムボディ
品種:カベルネ・ソーヴィニョン73%、メルロー27%
取り扱い先:Yahoo!ショッピング
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